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コンクリート練混ぜ時にCO2を噴霧し固定させる技術「T-Carbon Mixing」を開発

製造されたコンクリートはアルカリ性を保持し、鉄筋コンクリート構造物に使用可能

2023年1月16日
大成建設株式会社

 大成建設株式会社(社長:相川善郎)は、コンクリート製造工程の練混ぜ時にCO2を直接噴霧して、コンクリート内部にCO2を固定させる技術「T-Carbon Mixing」を開発しました。本技術では、コンクリート1m3あたり約10kgのCO2を固定させることが可能です。
 また、本技術は既存のコンクリート製造プラントにCO2噴霧装置を設置し、製造工程を工夫することで、鉄筋コンクリート構造物にも使用可能なコンクリートが製造できるため、幅広く普及させることで一層のCO2排出量削減が期待できます。

 これまで、コンクリートへCO2を直接噴霧してコンクリート内部にCO2を固定させた場合、酸性のCO2によってアルカリ性であるコンクリートの内部で中和反応が生じてしまい、配筋されている鉄筋等に腐食を招く恐れがあるため、鉄筋コンクリート構造物の材料として使用することはできませんでした。

 そこで当社は、コンクリート製造時の練混ぜ方法を工夫することでCO2をコンクリートに直接噴霧しても、コンクリートのアルカリ性を保持しながらCO2を固定させる技術「T-Carbon Mixing」を開発しました。

 「T-Carbon Mixing」を用いたコンクリート製造手順と特徴は以下のとおりです。

【製造手順】
 以下の手順でコンクリートを2段階に分けて練り混ぜて製造します。(図1参照)

  • ステップ1
    コンクリート材料(水、結合材、細骨材、粗骨材、化学混和剤)の10%~20%を先行して練り混ぜると同時にCO2を直接噴霧することでコンクリート内部にCO2を確実に固定させます。

  • ステップ2
    ステップ1終了後、コンクリート内部にCO2を固定させたまま、残りの80%~90%の材料を練り混ぜてコンクリートを製造します。

【特徴】

  1. 1

    既存プラントに噴霧装置を設置するだけで、CO2固定が可能
    通常のコンクリート製造プラントに噴霧用CO2ボンベやノズルなどの設備を設置するだけで、コンクリート製造時にCO2固定が可能となります。試算では、本技術により、コンクリート1m3あたり約10kgのCO2を固定できます。

  2. 2

    普通コンクリートと同等の性能を有し、鉄筋コンクリート構造物に使用可能
    本技術を用いて製造したコンクリートは、内部のアルカリ性を保持するとともに、強度も普通コンクリートと同等であるため、鉄筋コンクリート構造物に使用することができます。(図2、3参照)

  3. 3

    環境配慮コンクリート(T-eConcrete)※1と併用することで、更なるCO2排出量の削減が可能
    本技術を当社が開発した様々なタイプの環境配慮コンクリート(T-eConcrete)に適用して、更なるCO2排出量の削減が可能です。(図4参照)

 今後、当社は、コンクリート製造プラントなどに本技術を試行し、運用レベルでのコンクリート材料の特性評価を行うとともに、噴霧方法などに一層の工夫を施し、コンクリート製造工程におけるCO2排出量の更なる削減を目指してまいります。

図1  T-Carbon Mixingを適用したコンクリートの製造手順
図1  T-Carbon Mixingを適用したコンクリートの製造手順
図2 CO2噴霧有無によるコンクリート内部状況(アルカリ性保持)
図2 CO2噴霧有無によるコンクリート内部状況(アルカリ性保持)
図3 練混ぜ時のCO2噴霧有無によるコンクリート強度の比較
図3 練混ぜ時のCO2噴霧有無によるコンクリート強度の比較
図4 「T-Carbon Mixing」適用によるCO2排出量削減効果
図4 「T-Carbon Mixing」適用によるCO2排出量削減効果
  1. ※1

    環境配慮コンクリート(T-eConcrete):
    コンクリート材料製造時のCO2排出量を大幅に削減でき、従来と同様の製造・施工方法で同等以上の性能を有し、高炉スラグ大量使用により資源の有効活用を貢献するコンクリート。
    製鋼過程で生じる産業副産物を利用し、材料製造に由来するCO2排出量を削減する①建築基準法対応型、セメント量を減らし、フライアッシュを加える②フライアッシュ活用型、ポルトランドセメントを使わず、CO2排出量を最大で80%削減できる③セメント・ゼロ型、その後、セメントを使用せず、炭酸カルシウムなどを用いてコンクリート内部にCO2を固定することで、CO2排出量収支をマイナスにするカーボンネガティブを実現する④Carbon-Recycleを開発済で、製品ラインアップに加えた。これまでに生コンや天然石材調建材「 T-razzo®」などに適用するとともに、更なる普及・展開に向け「T-eConcrete 研究会」を設立。

関連情報

[参考資料]