株主の皆様へ

代表取締役社長 相川善郎

 株主の皆様におかれましては、平素よりご厚情を賜り厚く御礼申し上げます。

 建設市場は、民間企業の堅調な設備投資や国土強靭化対策等の底堅い公共投資により増加基調を維持しているものの、建設資材価格の高止まりや労務需給の逼迫によるコスト上昇圧力により、建設業界全体としては厳しい経営環境が続いております。

 こうしたなか、中期経営計画(2024-2026)達成の鍵を握る国内建築事業の立て直しに関しては、建設物価の工事価格への転嫁や消化体制の拡充、適正工期の確保等に向けてグループ一丸となって注力し、徐々に効果が表われはじめております。その結果、当社グループの当中間連結会計期間の経営成績につきましては、売上高9,522億円(前年同期比29.0%・2,141億円増)、営業利益405億円(同210.2%・274億円増)、経常利益497億円(同171.8%・314億円増)、親会社株主に帰属する当期純利益448億円(同201.5%・299億円増)となりました。

 また、2024年11月7日の取締役会において、1,500億円(30,000千株)を上限とする自己株式の取得を決議しております。これは、【TAISEI VISION 2030】達成計画における財務政策に基づき、政策保有株式の縮減計画(2026年度末までに連結純資産額の20%未満とする)の推進により追加的に稼得が見込まれる1,500億円を上限として、「中期経営計画(2024-2026)」の期間における自己株式の取得計画を前倒しにて実施するものです。なお、当期の中間配当金につきましては、今後の経営環境等を総合的に勘案し、1株当たり65円の配当としております。

 通期の連結業績予想につきましては、政策保有株式の縮減が順調に進捗していること等から一部修正し、売上高1兆9,900億円(変更なし)、営業利益870億円(変更なし)、経常利益970億円(前回予想比7.8%・70億円増)、親会社株主に帰属する当期純利益830億円(同27.7%・180億円増)といたしました。

 さらに、当社グループの企業価値向上の源泉である人的資本の拡充に向け、人事制度改革や人財育成計画の強化、処遇改善等の各種施策を進めるとともに、昨年度よりスタートした風土改革活動とあわせ、社員一人ひとりの働きがいとウェルビーイングを高めるため、私自身が先頭に立って取り組んでまいります。

 これらの諸課題を乗り越え、【TAISEI VISION 2030】の実現とその先の当社グループの中長期的な企業価値の向上を通じ、ステークホルダーの皆様の信頼に応え続ける企業グループとして、今後も邁進してまいります。

 株主の皆様におかれましては、今後とも格別のご指導とご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

2024年12月
代表取締役社長
相川善郎