環境配慮コンクリート「T-e Concrete®」の普及展開に向け研究会を設立

多様な商品開発を加速させ、CO2排出量削減に貢献

2021年1月12日
大成建設株式会社

 大成建設株式会社(社長:相川善郎)は、温室効果ガスの排出量を大幅に削減する環境配慮コンクリート※1を使用してコンクリート二次製品などを製作し、建材商品として積極的に展開するため、この度、「T-e Concrete研究会」を設立しました。本研究会は、当社ほか土木・建築資材メーカー7社が参画(参画企業一覧参照)しており、研究会を通じて土木構造物用部材や建築物内外装建材などの多様な商品開発を加速させ、CO2排出量削減に貢献することを目的としています。

 建設業界では、CO2排出量削減を目的として、これまで新しい材料や施工法の開発、改善に取り組んできました。2014年に当社が開発したT-e Concreteは、普通セメントの代わりに産業副産物の高炉スラグ※2やフライアッシュ※3などを混合したコンクリートで、その製造過程で発生するCO2排出量を、従来の普通セメントを使用する一般的なコンクリートと比較して最大で80%削減することが可能です。また、高炉スラグなどを大量に使用することから、資源の有効利用にも貢献できます。これまでに、建物内外の土間床下地としてレディミクストコンクリート(生コン)や、階段・床材に使用する天然石材調建材T-razzo®※4などにT-e Concrete を適用してきました。

 当社は本研究会設立に際し基幹企業として、これまで蓄積した材料や施工に関する豊富なデータやノウハウなどの基盤情報を商品開発担当の参画企業に提供し、各企業が自社製品の製造技術と融合させることで、多様な商品開発を行います。(写真1、2参照)また、開発された商品は参画企業が独自に外販するとともに、当社が施工する工事にも積極的に採用し、さらなるCO2排出量削減を推進していきます。

【T-e Concrete研究会 参画企業一覧】
基幹企業参画企業(順不同)
大成建設株式会社

會澤高圧コンクリート株式会社
株式会社立花マテリアル
株式会社鳥居セメント工業
ブイ・エス・エルジャパン株式会社
株式会社ホクエツ
北星商事株式会社
株式会社柏木興産

 今後、当社は、本研究会を通じて各参画企業と緊密に連携し、顧客ニーズに応える魅力ある商品の開発と普及に努め、CO2排出量削減を推進し、低炭素社会、循環型社会の構築に貢献してまいります。

写真1 土木構造物に用いるコンクリート二次製品の主な試作例
写真1 土木構造物に用いるコンクリート二次製品の主な試作例
写真2 建築物に用いるコンクリート二次製品の主な試作例
写真2 建築物に用いるコンクリート二次製品の主な試作例
  1. ※1

    T-e Concrete®:産業副産物を利用し、製造に由来するCO2排出量を最大で80%削減できる
    「環境配慮コンクリート」。
    https://www.taisei.co.jp/about_us/wn/2014/140909_3940.html
    https://www.taisei.co.jp/ss/tech/C0076.html

  2. ※2

    高炉スラグ:高炉(溶鉱炉)で銑鉄と同時に生成される産業副産物。ここでは水によって急冷し、乾燥・粉砕した高炉スラグ微粉末。

  3. ※3

    フライアッシュ:石炭火力発電所で微粉炭の燃焼により発生する石炭灰のうち、集塵器で採取された灰で、セメント用材料として活用。

  4. ※4

    T-razzo®:T-e Concrete®を用いて製造する天然石材調建材。
    https://www.taisei.co.jp/about_us/wn/2019/190705_4668.html