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札幌の超高層マンション「さつきた8・1」が2025 ACI Excellence in Concrete Construction Awardsを受賞

2025年12月3日
大成建設株式会社

 大成建設株式会社(社長:相川善郎)が、設計・施工を担当した「さつきた8・1」(北8西1地区第一種市街地再開発事業)が、この度120年以上の歴史を持つ「米国コンクリート協会(ACI)」が主催する2025 ACI Excellence in Concrete Construction Awardsの15階以上の超高層建物カテゴリーの1位(A High Rise Structures - 1st Place winner)を国内で初めて受賞しました。

 ACI Excellence in Concrete Construction Awardsは、コンクリート業界における進化する経済的技術、環境的技術、美的需要を満たすための創造的な技術を統合したプロジェクトを表彰するもので、超高層建物カテゴリーは建築・土木・修復・コンクリート材料等の多岐にわたる8カテゴリーのうちの1つです。

 「さつきた8・1」は、寒冷地における最高高さの48階建て地上約175メートルの鉄筋コンクリート造マンションを実現するために採用した多くの優れた技術が評価されました。
 北海道の寒冷で積雪の多い環境において、耐凍害性と超高強度の確保を両立する課題を克服して、初めてFc100級の超高強度コンクリート打設を実現しました。また、極大地震時の建物の健全性の向上を図るためにヒンジリロケーション構法(T-HR構法※1)を当社で初適用しました。この構法の採用により、梁および柱のプレキャスト化範囲の合理的な拡大が可能となり、床についてもハーフプレキャスト板を用いることで建物全体のプレキャスト化の比率を高め、冬季施工期間が制限される寒冷地・多雪地域において工期短縮を実現しました。さらに、T-HR構法を用いた柱および梁のプレキャスト化により可能となった新技術のタワークレーン一体型クライミングシステム「テコアップシステム※2」の採用も工期短縮に大きく寄与しました。プレキャスト部材の製造では、コンクリートの骨材を北海道で調達し、鋼製型枠の転用回数の増により型枠量を大幅に削減し、環境負荷の低減に大きく貢献しました。
 この札幌の新たなランドマークとなる「さつきた8・1」は、周辺景観との調和を配慮し、その外観は北海道の雄大な自然を感じさせます。進化していく都市の玄関口の象徴となっています。

 超高層の鉄筋コンクリート構造において、当社は業界に先駆けてRC積層工法を開発してから約40年に渡りプレキャスト化技術を推進してきましたが、引き続きさらなる建物の高品質化と高性能化、現場労務の省力化とスマート化を図るとともに、環境に配慮した持続可能な社会の実現を目指すことに積極的に取り組んで行きます。

  1. ※1

    T-HR構法:梁端の主筋を高強度化し塑性ヒンジ位置を梁中央へ移すことで、柱梁接合部の損傷を防ぎ耐震性能を高める構法
    https://www.taisei.co.jp/about_us/wn/2021/210426_8145.html

  2. ※2

    テコアップシステム:本設柱を利用し、タワークレーンを専用鉄骨フレームごと1フロアずつ昇降させ、工期短縮と省コスト・安全性の向上を実現するクライミング施工システムhttps://www.taisei.co.jp/about_us/wn/2021/211025_8536.html

札幌の超高層マンション「さつきた8・1」
札幌の超高層マンション「さつきた8・1」
コンクリート協会マリア・ジェンガ―会長(左)と当社 辰濃達シニアエンジニア(中央)、同 島津幸二部長(右)
コンクリート協会 マリア・ジェンガ―会長(左)と当社 辰濃 達シニア エンジニア(中央)、同 島津 幸二部長(右)