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RC造建築物の耐震性を向上させる技術「T-HR構法」を開発

地上48階建て超高層集合住宅に国内初適用

2021年4月26日
大成建設株式会社

 大成建設株式会社(社長:相川善郎)は、大地震時の揺れによって鉄筋コンクリート造(以下、RC造)建築物の柱と梁の接合部に生じる損傷を防止し、耐震性能を大幅に向上させる技術「T-HR構法」を開発・実用化し、この度、地上48階建て超高層RC造集合住宅に国内で初適用します。

 一般的なRC造建築物の構造設計では、耐震性を確保するため、梁の端部に応力を伝達し、柱梁接合部での塑性ヒンジの回転変形によって地震エネルギーを吸収することで接合部の損傷を防ぐ仕組みが適用されています。しかし、大地震による過大な変形が接合部に作用するとヒンジの弾性限界を超え、接合部の内部にまで損傷が進展する恐れがあります。この接合部は建築物を支える柱の一部で、損傷すると補修が困難な部位であるため、大地震後でも建築物を継続利用するには、接合部での損傷を避ける必要があります。

 そこで当社は、梁端部の主筋に高強度鉄筋または太径鉄筋を用い、それらを梁中央部の普通鉄筋と機械式継手で接続し、大地震時に発生する塑性ヒンジの位置を柱面から梁中央側に移動させること(ヒンジリロケーション)により、柱梁接合部に生じる損傷を防いで耐震性を向上させる技術「T-HR構法」を開発しました。(図1、2参照)

 本構法の特徴は以下のとおりです。

  1. 1

    耐震性能を大幅に向上
    梁端部の主筋に用いる高強度鉄筋(SD490級以上)または太径鉄筋(D38以上)と、梁中央部の普通鉄筋を機械式継手で一体化することにより、ヒンジリロケーションを実現します。従来構法と比較して全体の鉄筋量を変えることなく、建築物の耐震性能を10%程度向上させます。

  2. 2

    プレキャスト化に対応可能で、短工期で高品質なRC造躯体を提供
    梁端部と梁中央部の主筋の接続にはモルタル充填式の機械式継手を使用しており、柱や梁を工場で製作し現場で架設するプレキャスト化にも容易に対応が可能です。また、現場打設する場合と比較して短工期で高品質なRC造躯体を提供できます。

 今回、本構法を初適用する建物は、現在、札幌市に建設中の地下2階・地上48階、最高高さ175mの超高層RC造集合住宅です(図3参照)。本構法の適用に当たり国土交通大臣の個別認定を取得し、建物地上部の梁端部4,360箇所に本構法を適用しており、大地震に対する安全性を大幅に向上させています。

 今後、当社は更に「T-HR構法」の適用範囲拡大を図るとともに、安全安心で耐震性に優れた高品質なRC造建築物を提供するため、本構法の提案を積極的に行ってまいります。

図3 Webアプリによる可視化
図1 本構法の概要(配筋イメージ)
図3 Webアプリによる可視化
図2 大地震時の変形状態
図3 Webアプリによる可視化
図3 本構法を初適用する建物の概要
  • 塑性ヒンジ: 引張側の主筋がすべて弾性限界を超えた後に耐力を保持しながら自由に回転できる状態