リリース

土木事業におけるCO2排出量を実質ゼロにする取り組みの技術実証を開始

適用可能な脱炭素技術を最大限導入して施工を実施

2023年8月21日
大成建設株式会社

 大成建設株式会社(社長:相川善郎)は、「呑川合流改善貯留施設立坑設置工事」(東京都大田区南雪谷、事業主体:東京都下水道局、発注者:東京都大田区)において、施工時のCO2排出量を実質ゼロにする取り組み(ゼロカーボン・コンストラクション※1)の技術実証を本年10月より開始します。

 施工時のCO2排出量を実質ゼロにする取り組みについては、国土交通省大阪航空局発注の「福岡空港事務所新庁舎・管制塔新築工事」において国内初の実現を目指し2022年10月より技術実証を開始しています※2。今回は、建設重機の稼働率が高く施工時のCO2排出量が多い土木工事において、技術実証を行います。

 当社は、持続可能な環境配慮型社会の実現を目指して2050年環境目標「TAISEI Green Target 2050」を定めており、この環境目標を支える柱の一つである「脱炭素社会」の実現に向け、建設事業活動によるCO2排出量実質ゼロを目指した様々な取り組みを進めています。

 本工事では、土木工事の特性を踏まえ、建設現場で現在適用可能な脱炭素技術を最大限導入した施工計画を立案し、これらの技術の適用によるCO2排出量の削減状況を実証することで施工時のCO2排出量実質ゼロの実現※3を目指します。

 作業現場での実証は、ゼロカーボン・コンストラクションに用いる各々の取り組みに関する汎用性を検証するとともに、施工時における制約や法規制及び燃料供給体制などによる適用条件を明確化し、将来的な社会実装の促進に向けて情報発信を行ってまいります。

 CO2排出量を削減するための具体的な取り組み内容は以下のとおりです。

  • 燃料由来のCO2排出量削減
    ・燃料使用建機の電動化:油圧ショベル、コンクリートポンプ等
    ・省エネ型建機の採用:ダンプトラック、油圧ショベル等
    ・燃料の脱炭素化:CO2フリー燃料、低炭素型代替燃料、Jクレジット

  • 電気由来のCO2排出量削減
    ・省エネ型機器の採用:場内照明のLED化
    ・仮設事務所の省エネ化:ZEB Ready※4化による消費電力削減
    ・再生可能エネルギーの適用:自社保有発電所由来のトラッキング付き非化石証書などによる使用電力のCO2フリー化

 今後当社は、本取り組みの実証成果を生かし、建設工事における施工時のCO2排出量を実質ゼロにする取り組みを推進してまいります。

【工事概要】

  • 工事名称:呑川合流改善貯留施設立坑設置工事
  • 施工場所:東京都大田区南雪谷
  • 事業主体:東京都下水道局
  • 発注者:大田区
  • 工期:

    2022年3月~2024年11月(立坑工事)
    [ 技術実証期間 2023年10月~2024年3月 ]

御茶ノ水ソラシティ

本工事完成イメージ

品川シーズンテラス
電動コンクリートポンプ例
大崎ブライトタワー

電動油圧ショベル例

目黒セントラルスクエア

次世代型代替燃料例

作業所CO2排出量計測・集計システム
  1. ※1

    ゼロカーボン・コンストラクション:
    当社が構築したT-ZCB(ゼロカーボンビル)の推進方策(「ゼロカーボン・デザイン」、「ゼロカーボン・コンストラクション」、「ゼロカーボン・オペレーション」)のひとつ。施工段階におけるCO2排出量の実質ゼロを目指す取り組み。

  2. ※2

    工事施工におけるCO2排出量を実質ゼロにする取り組みを開始
    https://www.taisei.co.jp/about_us/wn/2023/230428_9502.html

  3. ※3

    施工時のCO2排出量実質ゼロの実現に向けた実証:
    建設現場の主なCO2排出源は建設重機などによる燃料及び電気使用によるものであるため、適用重機の検討や低炭素・脱炭素燃料の採用、再エネ電源の活用などによって、実証期間中のCO2排出量実質ゼロを目指す。なお本実証では、施工時の電力・燃料の使用量を的確に把握することが重要となるため、当社開発の作業所CO2排出量計測・集計システムを活用して、施工期間中のCO2排出量を正確に集計する。

  4. ※4

    ZEB Ready:運用時の 一次エネルギー消費量を省エネで50%以上削減。