工事施工におけるCO2排出量を実質ゼロにする取組を開始
2023年4月28日
大成建設株式会社
大成建設株式会社(社長:相川善郎)は、国土交通省大阪航空局発注の「福岡空港事務所新庁舎・管制塔新築工事」(福岡県福岡市博多区)において、工事施工におけるCO2排出量を実質ゼロにする取組(ゼロカーボン・コンストラクション※1)を開始しました。
当社は、持続可能な環境配慮型社会の実現を目指して2050年環境目標「TAISEI Green Target 2050」を定めています。この中では「脱炭素社会」の実現を一つの柱としており、事業活動によるCO2排出量0に向けたさまざまな取組みを進めています。
本工事においては、作業所仮設事務所として当社初の「Nearly ZEB」の認証※2を取得。屋根に設置した太陽光パネルはリユース製品を活用することで、FIT制度※3終了により今後大量の廃棄が想定される太陽光パネルの有効活用モデルとしての検証も行い、循環型社会の実現も併せて目指します。作業所全体で使用する電力に関しては、自社保有発電所由来のトラッキング付き非化石証書などにより実質再エネ化し、場内で使用する燃料に関しても、福岡市営林オフセット・クレジットを含むカーボンクレジットを適用することで、工事施工におけるCO2排出量を実質ゼロにする取組を開始しました。なお本取組においては、工事施工における電力・燃料の使用量を的確に把握することが重要であり、当社開発の施工時CO2排出量計測・集計システム『T-CARBON Watch』を活用して、工事期間全体でのCO2排出量を集計します。
また、新庁舎建物の基礎躯体部分のコンクリートに、当社が開発した環境配慮コンクリート『T-eConcrete®※4/建築基準法対応型』を約3,800m3使用することで、建物本体における材料調達段階でのCO2排出量削減も実現します。
今後もゼロカーボン・コンストラクションの 取組による知見を活用して作業所における脱炭素化を推進し広く社会にアピールすると共に、建設工事におけるCO2排出量削減に積極的に取り組んでまいります。
- ※1
ゼロカーボン・コンストラクション: 当社が構築したT-ZCB(ゼロカーボンビル)の推進方策(「ゼロカーボン・デザイン」「ゼロカーボン・コンストラクション」「ゼロカーボン・オペレーション」)のひとつ。施工段階におけるCO2排出量を削減する取組。
- ※2
Nearly ZEB: 一次エネルギーの消費量を省エネ+創エネで75%以上削減。
- ※3
FIT制度: 再生可能エネルギーからつくられた電気を、電力会社が“一定価格”で“一定期間”買い取ることを国が保証する制度。
- ※4
T-eConcrete®: セメントの使用量を抑制し、通常コンクリートと同等の強度、施工性を保持しながら、CO2排出量の削減が可能としたコンクリート。セメントの代わりに加える産業副産物などの配合状況により、建築基準法対応型、フライアッシュ活用型、セメント・ゼロ型およびCarbon-Recycleの4タイプがあり、目的用途により適切な仕様のコンクリートで対応が可能。