お知らせ

タイでの建設工事に低炭素コンクリートを当社で初適用

-タマサート大学との連携を強化し、東南アジアでの低炭素建設技術の社会実装を推進-

2026年2月2日
大成建設株式会社

 大成建設株式会社(社長:相川善)は、タイのタマサート大学※1(Somnuk Tangtermsirikul教授)と連携し、同大学が開発した技術を活用した低炭素コンクリートを、当社現地法人・大成タイランドの建設工事で当社として初めて適用しました。(写真1参照)
 同大学の研究開発成果と当社の環境配慮コンクリート「T-eConcrete®」の融合による「タイ版T-eConcrete」が実用化し、東南アジア地域における低炭素建設技術※2の社会実装を推進します。(写真2参照)

 東南アジアでは脱炭素社会の実現に向けて建設分野でも環境負荷低減技術の導入が急速に進んでいます。特にコンクリートは製造段階でのCO2排出量が大きく、低炭素化のニーズが高まっています。一方、タイでは高炉スラグ微粉末の調達が難しく、従来の低炭素材の適用に制約がありました。そのため、現地で入手しやすい産業副産物などを活用しつつ、品質・経済性・供給安定性を満たした低炭素コンクリートの実用化が求められていました。

 そこで当社は、タマサート大学の低炭素コンクリート技術と、当社が国内で実用化している環境配慮コンクリート「T-eConcrete」の技術を融合し、タイ国内の産業副産物・廃棄物を有効利用する「タイ版T-eConcrete」を開発・実用化しました。
 本技術を用いることにより、タイ国内で調達可能な材料のみで配合設計でき、配合条件によっては従来比で最大約85%のCO2排出量削減が可能となりました。また、2025年7月から当社R&D部門の技術職社員がタイに常駐し、技術開発と社会実装を継続的に推進する体制を整備しました。

 本技術の特長および期待される効果は以下のとおりです。

  1. 1

    現地材料の活用による安定供給と経済性を向上
    タイ国内で入手可能な副産物を主材料とするため、現地での輸入材の価格変動や調達リスクの影響を受けにくく、安定した施工体制を確保できます。

  2. 2

    高い低炭素減効果を発揮
    材料選定と配合の最適化により、従来比で最大約85%のCO2排出量削減が可能です。

  3. 3

    品質と施工性を両立
    タマサート大学の低炭素コンクリート技術とT-eConcreteの設計・管理ノウハウにより、強度・耐久性・施工性を高いレベルで確保します。

  4. 4

    社会実装に向けた現地拠点を整備
    タイに技術開発・実装拠点を設け、大学・産業界・当社の連携による共創を促進し、東南アジア各国への技術展開を見据えたハブ機能を担います。

  5. 5

    サーキュラーエコノミーに貢献
    産業副産物等の高付加価値利用を通じ、資源循環と環境負荷低減を同時に推進します。

 今後、当社は、タイを起点に東南アジア全域において低炭素コンクリートの社会実装を進めるとともに、現地拠点を中心とした各国の材料事情・規格・施工状況に適合する配合設計の標準化を推進し、公共・民間プロジェクトへの適用拡大を図ってまいります。
 さらにLCA※3評価や品質保証スキームの整備、共同研究の拡充を通じて、国際的な技術共創力を強化し、持続可能な建設技術の構築に貢献してまいります。

写真1 タイ国内での低炭素コンクリートの施工状況
写真1 タイ国内での低炭素コンクリートの施工状況
現地拠点関係者(左:大成タイランド・大場社長、中央:タマサート大学Somnuk教授、右:当社社員
写真2 現地拠点関係者(左:大成タイランド・大場社長、中央:タマサート大学Somnuk教授、右:当社社員)
  1. ※1

    タマサート大学:東南アジアの研究開発拠点として位置付けられ、コンクリート分野の低炭素化技術で先導的な研究を実施。

  2. ※2

    当社の中長期事業戦略において、東南アジアは最重要成長市場のひとつ。環境負荷低減技術の導入が加速する中、現地材料を活用した低炭素化は、持続可能な社会の実現に直結。

  3. ※3

    LCA:ライフサイクルアセスメント(Life Cycle Assessment)の略で、ある製品・サービスのライフサイクル全体(資源採取―原料生産―製品生産―流通・消費―廃棄・リサイクル)又はその特定段階における環境負荷を定量的に評価する手法。