お知らせサステナビリティ

建設現場における使用済み三角コーンのリサイクルループを拡大

-廃プラスチックの発生抑制と資源循環の促進により、サーキュラーエコノミーに貢献-

2025年11月5日
大成建設株式会社
株式会社八木熊

 大成建設株式会社(代表取締役社長:相川善郎)は、株式会社八木熊(代表取締役社長:八木信二郎)、日本通運株式会社(代表取締役社長:竹添進二郎)と協働し、当社建設現場から排出される「使用済み三角コーン」のリサイクルループ(図1参照)に関する取り組みを、全国展開に向けて、拡大・推進していきます。

 本取り組みは、当社の環境負荷低減活動「TAISEI Sustainable Action®」(以下、TSAと表示、図2参照)の一環として、廃プラスチックの発生量を抑制し、資源循環を促進することでサーキュラーエコノミーに貢献することを目的としています。

 当社は2023年に八木熊と実施した実証試験により、当社建設現場から回収した使用済み三角コーンを原料として再生三角コーンを製造する技術基盤を確立しました。

 主な確認結果は以下の通りです。

  • 再生三角コーンは、従来品と同等の材料特性を有しています。
  • 使用開始18か月を経過後も、再生三角コーンの材料特性に大きな変化は認められませんでした。
  • 当社建設現場にて再生三角コーンを継続利用でき、ループ内での再々生が可能です。

 これらの成果を踏まえ、当社は2024年7月より3か年計画で、使用済み三角コーンの回収範囲を段階的に拡大し、リサイクルループ構築を進めています。

 各年の実施状況および予定は以下の通りです。

  • 2024年(1年目):
    東京都内の当社建設現場10か所から使用済み三角コーン752本を回収し、再生三角コーンを製造(図3参照)。再生品は回収先とは別の当社建設現場で再使用
  • 2025年(2年目):
    7~8月に東京都内および神奈川県内で回収を実施。10月には千葉県内へ回収範囲を拡大。
  • 2026年(3年目):
    関東以外へ回収対象地域を拡大予定であり、全国展開規模を計画

 なお、本取り組みでは、環境省通知(環循規発第2104141号)に基づき、使用済み三角コーンを「有価物」として直接回収可能なスキームを構築しました。これにより、従来は廃棄物処理業者を介して回収していたプロセスを簡略化し、使用済み三角コーンの効率的かつ確実なリサイクルを可能にしました。
 これらの成果により、本取り組みは、第 13 回プラチナ大賞※1において、「プラチナ社会」※2を体現するモデルとして期待できる取り組みであることが評価され、奨励賞を受賞しました。

 今後も当社は、三角コーンリサイクルループをさらに拡大するとともに、様々な廃プラスチックの再資源化にも取り組みます。また、建設業者・製造メーカー・運送業者が一体となった協働モデルを通じて、廃プラスチックの発生抑制とリサイクル技術の高度化によるプラスチック資源循環を推進し、持続可能な循環型社会の実現に貢献してまいります。

三角コーンのリサイクルループ
左の図:TAISEI Sustainable Action®の概要 右の図:製造状況
  1. ※1

    プラチナ大賞:
    https://platinum-network.jp/activity-platina/
    プラチナ大賞は、人口減少や環境問題などの社会課題に対し、革新的な発想や技術で解決を目指す自治体・企業・団体を顕彰する制度。「プラチナ社会ネットワーク」が主催し、持続可能で質の高い成熟社会の実現に資する優れた事例を全国に発信しています。

  2. ※2

    プラチナ社会:
    https://platinum-network.jp/activity-platina/
    ◎「プラチナ社会」の必要条件
    ①「エコロジカルで」②「資源の心配がなく」③「全員参加型」④「心もモノも豊かで」⑤「雇用がある」のすべて、またはこれらの一部の実現を目指して行われている「取り組み」であること。