2025年8月4日
大成建設株式会社

　大成建設株式会社（社長：相川善郎）は、一般に流通している木材だけを用いた木質構法で長さ12mの大スパン構造を実現する、大型木造床組ユニット「T-WOOD Truss Floor」を開発しました。（写真1参照）
　この床組ユニットは、特注の大型部材を使わずに、入手が容易な一般流通材により大空間を建設することができ、オフィスや教育・研究施設など様々な施設に大規模な無柱空間を木材で構築するというニーズに対して、部材調達・設計・コストなどで柔軟な対応が行えることから、建築物への木材の適用を大幅に拡大することが可能となります。

　これまで長さ10mを超える大スパンの木造床を従来の木造軸組工法で実現するには、大断面集成材やLVL（単板積層材^※１）を用いた箱型断面の構築が必要となり、比較的高価で入手の難しい特注部材の調達のほか設計自由度やコスト面などでも課題があり、木造建築での大規模な無柱空間の構築には限界がありました。

　そこで当社は、一般流通材を用いた大型CLT（直交集成板）と2×4材（枠組壁工法用製材）を主要構成材とし、従来の木造軸組工法^※2では困難であった長さ12mの大スパンに対応可能な軽量で汎用性の高い大型木造床組ユニット「T-WOOD Truss Floor」を開発しました。本床組ユニットは、2×4材からなる平行弦トラスをウェブ（腹材）に用い、その上下を大型CLTのフランジ（上弦材、下弦材の最大製造寸法：幅2.4m×長さ12m）で挟み込んだ構成となっています。（写真1、図1参照）

　本床組ユニットの特長は以下のとおりです。

　なお、本床組ユニットは、現在建設中の大成建設グループ次世代技術研究所/幸手（埼玉県幸手市）の研究管理棟で4階の床組への適用を予定しています。（図2参照）

　今後当社は、建築物の木造化を求めるお客様のニーズに対して、大型木造床組ユニット「T-WOOD Truss Floor」を積極的に提案していくことで適用拡大を図り、CO₂貯蔵・固定が可能な木材を活用する効果を最大限活かす環境配慮型建築物の普及を通じて、脱炭素社会の実現に貢献してまいります。