長崎県雲仙市でスマート技術を活用した温泉街活性化の実証実験を実施
2025年6月30日
大成建設株式会社
大成建設株式会社(社長:相川善郎)は、長崎県雲仙市と締結した「観光・防災・まちづくり包括連携協定」(2023年4月締結)に基づく共創活動の一環として、2024年11月2日~4日に雲仙温泉街において、スマート技術を活用した活性化推進活動に関する実証実験を行いました。
当社と雲仙市は、温泉街の活性化やBCP対策を含むまちづくりの新たなモデル構築を目指し、2023年4月に「観光・防災・まちづくり包括連携協定」を締結しました。この取り組みでは、これまで観光客の交流促進や賑わい創出に向け、AI解析やAR※1を活用したスマート技術を段階的に試行してきました。
今回の実証実験では、雲仙温泉街における人流・車流の回遊性向上、渋滞緩和、観光促進などの各施策を現地で検討し、雲仙地域の魅力を最大化する持続可能な観光基盤の確立を図るために、実証実験を実施しました。
実証実験の主な内容と成果は以下のとおりです。
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観光スポットの賑わいをリアルタイムで可視化
雲仙温泉街の観光スポットにカメラを設置し、カメラ映像を基にAIで解析した人流データをWEB上で配信し、観光客やスタッフが混雑状況を直感的に把握できる仕組みを検証しました。 - 2
駐車場の混雑緩和検討
紅葉シーズンでにぎわう仁田峠駐車場の出入口に設置したカメラ映像から、駐車場の満車率をリアルタイムで配信し、車の入出庫タイミングを制御することで、混雑緩和状況を確認しました。 - 3
ドローンとAIを活用した人流・車流の俯瞰モニタリング
ドローンを使用して仁田峠駐車場を空撮し、撮影画像のAI解析から、人流・車流を高精度に検出しました。この技術の活用により、平常時はもちろん、災害時の避難誘導支援への転用の可能性を実証しました。また、紅葉の状況も空撮して訪れた観光客に配信しました。 - 4
AR技術を用いた観光情報提供
国立公園内の広告物規制への対応策として、AR技術を活用し、現実の風景に重ねてデジタルサインやロゴ、キャラクターを表示するなど温泉街の観光情報を提供しました。これにより、看板やポスターを設置できないエリアでも訪れる人々に温泉街の魅力をよりわかりやすく伝えることができ、訪問者の体験価値を高めることができました。
今後当社は、AI・ARを核とした先進的なスマート技術を深化させ、観光客やドライバーにリアルタイムで、より有益な情報を提供するアプリやコンテンツの開発を進めることで観光地の活性化を図るとともに、災害時でもスマートフォンなどの利用により安全・安心の確保にも貢献できるサービスの実用化を目指します。


- ①AR観光案内
観光スポットの詳細解説を読むことができます。 - ②ARモニュメント表示(UNZENのロゴ)
背景としてロゴオブジェを実際に置くことなく、記念撮影が可能です。
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AR(Augmented Reality・拡張現実):
現実の世界にデジタル情報を重ねて表示し、現実を拡張する技術。例えば、スマートフォンやタブレットなどのデバイス画面上で、特定の場所にデジタルオブジェやキャラクターの表示や室内での家具配置のシミュレーションなどが可能となる。