リリース

PACエアコン向け自動再生機能付フィルターユニット「T-Self clean Filter」を開発

-フィルター維持管理の省力化によりメンテナンスコストと廃棄ろ材の削減を実現-

2025年5月29日
大成建設株式会社

 大成建設株式会社(社長:相川善郎)は、株式会社忍足研究所(代表取締役:倉田芳幸)と共同で、床置き型パッケージエアコン(以下、PACエアコン)のフィルターろ材を自動で再生し、フィルター交換が長期間不要となる、自動再生機能付きフィルターユニット「T-Self clean Filter」を開発しました。また、本ユニットを小麦粉等の粉体を取り扱う食品工場の市販PACエアコンに取り付けて実証した結果、PACエアコンフィルターの長寿命化とフィルター維持管理の省力化により、メンテナンスコストと廃棄ろ材の削減が可能となったことを確認しました。

 工場などで稼働している多くのPACエアコンは、フィルターの定期的なメンテナンスが欠かせません。特に小麦粉等の粉体を取り扱う食品工場では、PACエアコンの空気吸い込み口や熱交換器(コイル・フィン)の目詰まりによる空調能力の低下を防ぐため、フィルターろ材を頻繁に交換する必要があり、また、交換後のフィルターろ材も再利用されることなく廃棄されていました。このためメンテナンスコストや廃棄するフィルターろ材の削減を図る上でも、フィルター維持管理の省力化が求められていました。フィルターに付着したごみを自動で取り除き、ろ材を再生する機能を備えた「自動再生フィルター」は、室内の空気を循環させながら空調を行うエアハンドリングユニット空調機向けの製品として既に販売されていますが、PACエアコン向けの製品としてはまだ実用化されていませんでした。

 そこで当社は、床置き型PACエアコンに装着可能な自動再生機能付きフィルターユニット「T-Self clean Filter」を開発しました。本ユニットは、フィルターに付着したごみを吸引するとともに、円形ドラム型ろ材を自動で洗浄し、粉体等を集塵装置で捕集することでフィルターろ材を自動再生する機能を備えています。

 本ユニットの特長は以下のとおりです。

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    フィルターの長寿命化によりフィルター維持管理の大幅な省力化を実現
    本ユニットを床置き型PACエアコンに装着することで、フィルターろ材の自動再生が可能となるため、フィルター交換※1が約15年の長期間にわたり不要です。また、コスト面ではPACエアコンフィルターの長寿命化により、フィルター維持管理の手間が大幅に軽減され、メンテナンスコストと廃棄ろ材の削減が図れ、本ユニット1台あたりの装着に伴う費用(初期設備導入費、維持管理費など)と従来方式による費用(交換用フィルターろ材を含む維持管理費など)との差分は運用開始後約11年で回収される見込みです。

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    市販の床置き型PACエアコンに容易に組み込みが可能
    本ユニットは、自動再生フィルター、集塵装置、制御盤が一体化した構成になっており、市販の床置き型PACエアコンの吸い込み側に後付けで容易に組み込むことが可能です。このため新築だけでなく既存の工場などにも導入することができます。

 今後当社は、食品工場などの新築・改修工事において、PACエアコンのフィルター維持管理の大幅な省力化を図りつつ、空調能力低下を防ぎ、室内の温熱環境を常に維持することが可能な本ユニットの採用を積極的に提案してまいります。

図1 「T-Self clean Filter」設置状況
図1 「T-Self clean Filter」設置状況
  1. ※1フィルター交換:交換期間は、導入環境における粉体飛散度合い及びフィルターの再生頻度による。