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大成建設グループ 「軽井沢高原ゴルフ倶楽部」がゴルフ場単独で初めて「自然共生サイト」に認定

2025年3月26日
大成建設株式会社
北軽井沢開発株式会社

 大成建設株式会社(社長:相川 善郎)のグループ会社である、北軽井沢開発株式会社(社長:岩元 健司)が運営する軽井沢高原ゴルフ倶楽部※1(群馬県吾妻郡長野原町北軽井沢)が、ゴルフ場単独として初めて環境省の「自然共生サイト」※2に認定されました。

写真1 軽井沢高原ゴルフ倶楽部の外観写真(2021年7月撮影)

 当該区域は、かつてカラマツを主体とする生産林※3が広く分布する林業地でしたが、近代化に伴う森林資源の利活用の減少により、生産林としての機能が低下していました。
 ゴルフ場を計画する際には、設計段階から区域内に多く存在していたミズナラやハルニレなどを主体とする自然度※4の高い当該区域特有の自然環境を考慮し、既存の樹林や自然地形を可能な限り残すよう努めました。その結果、現在も自然度の高い植生が広く分布しています。

 当社グループでは、この豊かな自然環境に着目し2023年から1年間、動植物調査を行ったところ、環境省レッドリスト2020※5や群馬県レッドデータブック2022※6に掲載される種を含め、植物300種以上、鳥類50種以上、両生類4種、昆虫類800種以上が生息・生育していることを確認しました。また、区域内には、森林に加え、コース脇のススキなどの草地、自然河川である熊川や調整池からなる水辺が複数存在し、多様な環境に適応する様々な動植物(ニホンカモシカ、フクロウ、ヤマアカガエル、オニヒョウタンボクなど)の生息地・生育地としての機能があることも確認できました。これらの豊かな自然環境の良好かつ継続的な管理などが評価され、この度、環境省の「自然共生サイト」の認定に至りました。

 当社グループは、グループ長期環境目標「TAISEI Green Target 2050」に掲げたネイチャーポジティブの実現に向けて、引き続き自然との調和の中で、良質な社会資本の形成に取り組んでまいります。

図1 軽井沢高原ゴルフ倶楽部でみられる主な動植物(季節ごとに作成)
  1. ※1

    軽井沢高原ゴルフ倶楽部
    大成建設株式会社が設計・施工し、大成建設グループの北軽井沢開発株式会社が管理・運営するゴルフ場であり、今シーズン(2025年)で開場30周年を迎える。

  2. ※2

    自然共生サイト
    30by30の実現に向け、「民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域」として国が認定する場所。当制度による認定区域は、自然公園などの既存の保護地域との重複を除き、「OECM」として国際データベースに登録される。

    【30by30】
    2030年までに陸域と海域の30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようとする国際的な目標。生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)において採択され、2030年までの新たな世界目標である「昆明・モントリオール生物多様性枠組」の具体な目標と位置づけられている。
    【OECM】
    Other Effective area based Conservation Measures(その他の効果的な地域をベースとする手段)の略称。日本においては、国立公園法に指定される国立公園や国定公園、都道府県立自然公園など人の利用を前提として保護、整備される地域の他、自然環境保全法で指定される原生自然環境保全地域など、極力人為的な影響を加えずに自然本来の状況を保護(Protection)、保存(Preservation)する場所等が法律で指定されている。OECMは、それら法律で指定されている地域を除いた、里地里山里海を代表するような「人の適切な営みや活動に伴って、結果的に自然が守られている場」のことを指す。
  3. ※3

    生産林
    公益的機能の発達に配慮しつつ、木材生産を主体として資源の循環利用を行うための森林のことを指す。

  4. ※4

    自然度
    1973年に行われた第1回自然環境保全基礎調査・植生自然度調査(環境庁(現:環境省))で初めて用いられた用語で植生自然度とも言う。植生に対する人為の影響の度合いにより、日本の植生を10の類型に区分した尺度のことを指す。

  5. ※5

    環境省レッドリスト2020
    日本に生息又は生育する野生生物について、生物学的観点から個々の種の絶滅の危険度を科学的・客観的に評価し、その結果をリストにまとめたもの。
    https://www.env.go.jp/press/107905.html

  6. ※6

    群馬県レッドデータブック2022
    群馬県に生息又は生育する野生生物について、生物学的観点から個々の種の絶滅の危険度を科学的・客観的に評価し、その結果をリストにまとめ、種の生息状況や存続を脅かしている原因等を解説したもの。
    https://www.gmnh.pref.gunma.jp/research/red_data2022/