遠隔監視カメラシステム(BuildEYE)の設置用アタッチメント・USBアダプターを開発
2025年2月14日
大成建設株式会社
大成建設株式会社(社長:相川善郎)は、「生産プロセスのDX」の一環として、建設現場における遠隔監視Webカメラシステム(BuildEYE)※1の普及・展開を加速するため、建設現場特有の作業環境に応じて多数の遠隔監視カメラの設置・盛り替えを容易に行える専用治具(3タイプ・5種類のアタッチメントとUSBアダプター)を開発しました。(特許出願中)このうち、カメラ用アタッチメントは共和電子株式会社(代表取締役:馬場義勝)と、仮設電源に適合するUSBポートアダプターは株式会社スズデン販売(代表取締役:鈴木昇)とそれぞれ共同で開発した製品で、建設業だけでなく、遠隔監視を必要としているプラント業界や各種生産施設をはじめ多種多様な分野で幅広く活用することができます。
当社は、デジタルツールの活用により建設現場内の情報収集を効率化する新たな施工管理システム「T-SearchX」を構成する主要ツールの一つとして、2024年6月に市販の遠隔監視カメラを用いたWebカメラシステム(BuildEYE)を開発し、業務の大幅な効率化を図ってきました。一方、情報収集のための遠隔監視カメラは、日々変化する建設現場の作業状況・作業環境に応じてその都度移動させなければならず、市販の設置治具では仮設資材等への設置に多くの手間がかかるため、現場特有の作業環境に適した専用治具の開発・導入による作業効率の向上が求められていました。また、カメラの稼働に必要となる現場の仮設電源はコネクタ部分が防水仕様になっている場合が多く、市販アダプターではUSBを接続しにくいため、カメラの安全かつ適切な設置が困難となっていました。
そこで当社は、建設現場の作業環境に柔軟に対応し、カメラの設置や盛り替えを容易に行うことができる3タイプ・5種類のアタッチメントとUSBアダプターを開発しました。(表1参照)アタッチメントはいずれも一般の三脚ネジを使用しているため、様々なカメラをはじめ、小型プロジェクターや普及型センサー等の設置に幅広く利用できます。今後当社は、このアタッチメントを活用した設置手法の開発により、建設現場等での遠隔監視カメラの運用を推進して参ります。
それぞれの治具の特長は以下のとおりです。
- 現場USBポート:
キャップ形状が防水仕様のコネクタにも問題なく接続できます。デジタル機器の普及に伴い、建設現場でもUSBアダプターの使用頻度が高くなってきた状況に柔軟に対応することができます。
- フレキシブルアタッチメント:
マグネットタイプのアタッチメントで、建設現場の天井デッキ面(凸凹面)や鋼製建具(SD枠)、配管など鉄部に容易に設置することができます。高所でも脚立を使用せずに取り付けられる工夫が施されています。
- 単管アタッチメント:
仮設資材として建設現場で広く利用されている単管パイプの表面や先端に容易に設置が可能です。
- カラーコーンアタッチメント:
建設現場で作業範囲の明示などに広く使われているカラーコーンの先端部分に容易に取り付けが可能です。
今後当社は、自社施工の建設現場でこれらの治具を活用しながら、遠隔監視Webカメラシステムの普及・展開を加速するとともに、建設業界以外の様々な分野で幅広く活用できるよう各業界のニーズに応じてWebカメラシステムのさらなる改良を進めてまいります。

- ※遠隔監視Webカメラシステム(BuildEYE):
デジタルツールの活用により建設現場内の情報収集を効率化する新システム「T-SearchX」を構成する主要ツールの一つとして開発された市販の遠隔監視カメラを用いたWebカメラシステム。建設現場内に設置した数十台から数百台の遠隔監視カメラ(高性能Wi-Fiカメラ)の映像情報を活用することで、いつ・どこからでも現場状況を詳しく確認できるため、これまで多くの作業を人手に頼っていた施工管理業務の大幅な効率化を実現。
(https://www.taisei.co.jp/about_us/wn/2024/240717_10056.html)

- ※DX認定とは「情報処理の促進に関する法律」に基づき、「デジタルガバナンス・コード」の基本的事項に対応する企業を国が認定する制度です。