大成建設グループ内で再生可能エネルギー由来水素の搬送・融通を実証
2024年11月13日
大成建設株式会社
大成建設株式会社(社長:相川善郎)は、2024年11月1日に実施した大成建設グループ内の大規模災害訓練の一環として、大成ユーレック川越工場で製造した再生可能エネルギー由来のグリーン水素を、大成建設技術センターへ搬送し、燃料電池を用いて電力に変換させ、施設全体へエネルギーを融通するBCP対策の実証を行いました。
今回実施したBCP対策の実証では、水素を利用する事業所等の拠点間におけるエネルギー融通を模擬し、現在実証運転を進める大成ユーレック川越工場のP2Gシステム・水素利活用システム※1(写真1参照)で製造したグリーン水素を、水素吸蔵合金タンク(MHタンク※2容量100Nm3/台)に低圧貯蔵し、そのMHタンク3台のうち搬送可能な1台を大成建設の技術センターに移送しました。(写真2参照)移送後、水素は燃料電池を用いて電力に変換されたことを確認しました。
今回の実証結果から、近隣区域内の工場、事業所等、拠点間での水素の搬送を効率化させることや取扱量を増やすことにより、BCP対策として非常時(停電、自然災害、施設故障など)に有効活用されることが期待されます。
今後当社は、地産地消型の水素社会への取り組みとして低圧水素利活用の実証結果※3を活かし、自立分散型でレジリエンスの高い、脱炭素化を目指した街づくりを推進してまいります。
- ※1
P2Gシステム・水素利活用システムの実証運転:
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業により山梨県、東レ、東京電力エナジーパートナーが開発した、再生可能エネルギーによる余剰電力で水素製造する装置を小型パッケージ化した500kWワンパック固体高分子(PEM)形P2Gシステムの1号機を大成建設が共同研究者として大成ユーレック株式会社川越工場に設置。(2024年8月6日より実証開始) - ※2
水素吸蔵合金タンク(MHタンク):
MHタンクは、合金の体積に対し1,000倍以上の水素を吸蔵するためコンパクトであり、また、非危険物なため取扱いが容易である。 - ※3
低圧水素利活用の実証結果:
当社は、北海道室蘭市において、2018~2021年度に「環境省 地域連携・低炭素水素技術実証事業 建物及び街区における水素利用普及を目指した低圧水素配送システム実証事業」で車載式MHタンク(45Nm3、85Nm3)を日常利用で供給側から事業所等への配送を実証した。