リリース

建設現場で発生するペットボトルをリサイクルする実証試験を開始

-分別、洗浄、減容化を促すリサイクルステーションを設置し、再資源化を推進-

2024年10月10日
大成建設株式会社

 大成建設株式会社(代表取締役社長:相川善郎)は、コカコーラボトラーズジャパン株式会社(代表取締役社長 最高経営責任者:カリン・ドラガン)および日本通運株式会社(代表取締役社長:竹添進ニ郎)と協働し、建設現場で発生するペットボトルをリサイクルして再びペットボトルとして使用する「ボトルtoボトル」の推進を目指した実証試験を2024年7月より開始しました。当社は、既に実証を開始した三角コーンやアクリル板のリサイクルへの取り組みと併せて、建設現場から排出される廃プラスチックの再資源化により3R+Renewable活動を推進し、プラスチック資源の循環に貢献します。

 東京都23区内にある当社建設現場で発生するペットボトルの量は、年間約90万本(ペットボトル総重量30トン※1)に上り、これまでは飲み終わると自動販売機脇に設置されているリサイクルボックスにそのまま分別されずに投入され、自動販売機の飲料メーカーが商品の搬入を行う際に回収する仕組みとなっていました。また、建設現場で飲み終わったペットボトルを確実に分別したとしても、市中に配置されているリサイクルボックスと合わせて回収される過程で、ラベルとキャップがついた状態や飲み残しが入った状態のペットボトルが多く含まれるため、一般家庭等から回収される確実に分別された状態のペットボトルに比べると、再生原料の高品質化が難しいという課題がありました。

 そこで当社は、建設現場から回収されるペットボトルをより高品質で新しいペットボトルとしてリサイクルする「ボトルtoボトル」の取り組みを推進するため、コカコーラボトラーズジャパン、日本通運と協働し、以下の実証試験を開始しました。

  • 都内2か所の建設現場作業所において発生する使用済みペットボトルを、現場内でキャップとラベルに分別してから洗浄、減容化して収集するためのリサイクルステーションを設置し、運用を開始しました。(写真1参照)
  • リサイクルステーション設置後の分別状況等を確認しながら現場内での啓発活動を継続するとともに、ペットボトルの巡回回収や再資源化に向けた仕組みを検討します。本実証試験は2025年3月まで実施する予定で、この期間内に回収されるペットボトルは、再生原料としての品質「グレードA※2」の100%達成を目指します。(図1参照)
  • 今回実証試験を開始した2か所の現場作業所における取り組みの拡大を図り、ペットボトルの回収や運搬を効率的に行うベール化※3の仕組みを構築することで、運搬効率向上による更なるCO2排出量の削減を目指します。

 今後当社は、ペットボトルを含む建設現場から排出される様々な廃プラスチックの再資源化によりプラスチック資源の循環を推進することで、サーキュラーエコノミーの実現に貢献してまいります。

写真1 リサイクルステーション設置状況
写真1 リサイクルステーション設置状況
図1 将来的なペットボトルリサイクルイメージ
図1 将来的なペットボトルリサイクルイメージ
  1. ※1

    ペットボトル飲料消費量:
    2023.6.30時点での当社調べによる都内23区内建設現場での数量

  2. ※2

    グレードA:
    自治体回収レベル(ラベル、キャップ、残液なし)を示す

  3. ※3

    ベール化:
    分別・回収したプラスチック等を圧縮し、結束材で梱包して俵状にしたもの