「古平町複合施設 かなえーる」が日本建築学会作品選奨を受賞
2024年7月17日
大成建設株式会社
大成建設株式会社(社長:相川善郎)が設計・施工を担当した「古平町複合施設 かなえーる」(発注者:北海道古平郡古平町 2022年2月竣工)がこの度、日本建築学会作品選奨を受賞しました。
この賞は、2024年に日本建築学会が発行する作品選集に掲載された100作品のうち、学術・技術・芸術の総合的視点から、特に優れた作品に贈られる賞です。
古平町は北海道で最初にゼロカーボンシティ宣言を行った町であり、本建物には外断熱工法※1、地中熱ヒートポンプシステム※2、躯体輻射冷暖房※3、太陽光発電ガラス(T-Green Multi Solar)※4、BEMS※5等をはじめとしたさまざまな環境配慮技術を導入し、運用開始から2年連続で実質的にNearly ZEB※6を達成しました。
また、「古平町複合施設 かなえーる」は、道産カラマツの有効利用や環境装置を統合する合理的な構造計画など、設計上の様々な配慮が施され、本施設の建設にあたり各種補助金を活用しながら、デザインビルドを採用して現実的な予算に抑えたプロジェクトスキームと、ZEBに貢献する各種環境技術を多数活用しながらひとつの建築にまとめ上げた設計が高く評価されました。
当社は環境に配慮した社会の実現を目指し、今後も様々な省エネルギー技術の開発を進めるとともに、発注者のニーズに合致した省エネルギービルの提案に積極的に取り組んでまいります。
- ※1
外断熱工法
コンクリート躯体の外側を断熱材で包み込み、外気からの熱を遮断し、建物を蓄熱体として活用する工法 - ※2
地中熱ヒートポンプ
ヒートポンプの熱源として空気熱の代わりに地中熱を利用する方法。地中温度は年間通じて安定していることから、夏季冷房時は室内から除去した熱を地中に放出し、冬季の暖房時には地中から熱を取り出し暖房に利用することで冷・暖房機器の高効率運転を行うシステム - ※3
躯体輻射冷暖房
熱容量の大きいコンクリート躯体に架橋ポリエチレン管を埋設し、冷房時には冷水を、暖房時には温水を循環させて、建物の構造体で冷暖房を行うシステム - ※4
太陽光発電ガラス(T-Green Multi Solar)
Low-Eペアガラスにストライプ状の両面太陽電池を組込み、窓ガラスに必要な眺望、採光、断熱、遮熱といった基本性能に加え、表裏で同時に発電できる多機能な太陽光発電ガラス - ※5
BEMS
ビルのエネルギーマネジメントにおいて、エネルギー収支の見える化とデータ分析を可能としたシステム - ※6
Nearly ZEB
建物のZEB化には、「省エネ量」と「創エネ量」により4段階のレベルが定義されており、エネルギー消費量を基準値から75%以上削減した建物