お知らせ

環境配慮コンクリート「T-eConcrete®/Carbon-Recycle」による温室効果ガス吸収量(CO2固定量)を世界で初めて国連に報告

2024年4月12日
大成建設株式会社

 大成建設株式会社(社長:相川善郎)が開発し、社会実装を進めている環境配慮コンクリート「T-eConcrete/Carbon-Recycle※1」によるCO2固定量が、日本の温室効果ガス吸収量(CO2固定量)に盛り込まれ、その他の環境配慮型コンクリートとともに世界で初めて国連に報告されました。

 温室効果ガスの排出・吸収量については、気候変動に関する国際連合枠組条約第4条及び第12条、パリ協定第13条並びに関連する締約国会議の決定に基づき、各国が温室効果ガス排出・吸収量の目録を作成し、条約事務局への提出が義務付けられています。また、日本政府は、国内における温室効果ガス排出量・吸収量を算定し、毎年公表しています。

 これまで当社は、製造時にCO2を大量に放出するセメントの使用量を削減してCO2排出量を抑制する環境配慮コンクリート「T-eConcreteシリーズ」を開発・適用し、さらに工場などから排出されたCO2を資源とする炭酸カルシウムを用いたカーボンリサイクル・コンクリート「T-eConcrete/Carbon-Recycle」の開発と社会実装に向けた取り組みを進めてきました。カーボンリサイクル・コンクリートはCO2を炭酸塩鉱物(CaCO3)として長期にわたり安定して固定し、使用材料に関わるCO2排出量収支がマイナスとなる「カーボンネガティブ」を達成しています。
 今回、2022年度に実装された実績として、当社の環境配慮コンクリート「T-eConcrete/Carbon-Recycle」のCO2固定量の約2.4トンを含む、3類型(4種類)の環境配慮型コンクリート※2による吸収量(CO2固定量)として全体合計で約17トンが算定され、国連に報告されました。

 今後、当社は「T-eConcrete/Carbon-Recycle」に関する技術開発と社会実装を引き続き推進し、脱炭素社会の実現に貢献して参ります。

大成建設技術センター 人と空間のラボ前に適用した「T-<i>e</i>Concrete®/Carbon-Recycle」
大成建設技術センター 人と空間のラボ前に適用した「T-eConcrete®/Carbon-Recycle」
  1. ※1

    T-eConcrete/Carbon-Recycle:
    工場の排気ガスから回収した炭酸ガス(CO2)とコンクリート廃材中のカルシウム(CaO)から製造した炭酸カルシウム(CaCO3)を、産業副産物である高炉スラグを使って固めたコンクリート材料。炭酸カルシウムとしてコンクリート内部に多量のCO2を固定でき、コンクリートのCO2収支をマイナスにすることができる。

  2. ※2

    3類型(4種類)の環境配慮型コンクリート
    CO2由来材料使用型コンクリート:T-eConcrete/Carbon-Recycle(大成建設)、クリーンクリートN、製造時CO2固定コンクリート:CO2-SUICOM、バイオ炭使用型コンクリート:SUSMIC-Cを示す。