リリース

飛沫防止用アクリルパネルの再資源化に着手

-廃プラスチックおよび製造時CO2排出量の削減により循環型社会の実現に貢献-

2023年12月5日
大成建設株式会社
緑川化成工業株式会社

 大成建設株式会社(代表取締役社長:相川善郎)と緑川化成工業株式会社※1(代表取締役:緑川忠男)は、日本通運株式会社(代表取締役社長:堀切智)と協働し、不要となり建設現場事務所で保管されている飛沫防止用アクリルパネルの再資源化に2023年10月より着手しました。この再資源化の取り組みにより、建設現場から廃棄されるアクリルパネルを含むプラスチックの削減とパネル原料となるアクリル樹脂の製造過程で発生するCO2排出量を削減することが可能となり、循環型社会や脱炭素社会の実現に貢献することができます。

 現在、コロナウイルス感染症拡大防止のため飛沫防止用に設置していたアクリルパネルの多くが建設現場事務所に保管されています。感染症が収束したことにより不要となったこれらパネルのほとんどは、再利用されることなく他のプラスチック製品と同様に「廃プラスチック」として処分される状況にあります。2022年4月に施行されたプラスチック資源循環法(正式名称:「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」)では、海洋プラスチックごみや気候変動の問題などを背景に、プラスチックの再生利用等への対応が求められており、プラスチックの資源循環を加速していく必要があります。このような背景により、再生可能なアクリルパネルの適切な回収・再資源化を進め、廃棄されるプラスチックの削減とアクリル樹脂製造時のCO2排出量削減※2を実施することで、循環型社会の実現に貢献することが期待されます。

 そこで両社は、日本通運と協働し、建設現場事務所に保管されているアクリルパネルの再資源化に着手することとしました。日本通運の運搬車両を活用して当社の現場から効率的に巡回回収したアクリルパネルを原料とし、緑川化成工業で加工して再度パネルや照明カバー材、間仕切り材などの新たな建築内装材として活用する仕組みを構築します(図1参照)。今回の取り組みで回収したパネルは建設中の大成建設グループ次世代研究所の建築内装材として再利用する計画です。

 今後当社は、アクリルパネルを含む建設現場から廃棄される様々なプラスチックの再資源化により、社会的課題であるサーキュラーエコノミー、カーボンニュートラルの実現に向け、廃プラスチックおよびCO2排出量を削減する取り組みを推進してまいります。

図1 アクリルパネルの再資源化イメージ
  1. ※1

    プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(令和3年法律第60号)に基づき、自主回収・再資源化事業計画の認定を得た(令和5年4月19日付 第1号)。

  2. ※2

    バージン材に代わり再資源化材を利用することで、原料調達からペレット製造まで1,000kgあたり1,536kgのCO2を削減できる見込み。