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森林資源・森林環境の課題解決に向けボルネオ島における木材調達トレーサビリティを調査

「持続可能な木材調達」の実現に向け現地視察を実施

2023年11月28日
大成建設株式会社

 大成建設株式会社(社長:相川善郎)は、本年3月、グループ長期環境目標「TAISEI Green  Target 2050」※1を改定し、新たに個別課題の一つとして森林資源・森林環境の課題解決の目標に「森林破壊ゼロを前提とした木材調達により森林資源・森林環境への負の影響を最小化」を掲げました。
 そして今般、その課題解決に向け「持続可能な木材調達」の実現を目指す取り組みとして国内の木材サプライヤーと協働し、マレーシア・ボルネオ島における森林伐採地や植林地等を日本のゼネコンとして初めて視察しました。現地視察では地域に暮らす先住民(イヴァン族)と対話を行うなど、森林伐採の現状確認と将来の木材調達に向けた調査を実施しました。

 当社では、工事で使用する木材の一部をボルネオ島から調達しています。しかし、これまで同島産の木材調達における森林伐採・植林・製造・加工の状況については、国内サプライヤーを通じて間接的に確認するだけにとどまっていました。
 そのような現状において、今般「持続可能な木材調達」の実現の観点から、国内サプライヤーと協働してボルネオ島で木材伐採・植林・製造・加工を行う現地企業(TA ANNグループ、以下「同社」)を訪問し、現地での木材調達に関する一連の実施工程やトレーサビリティが適正に確保されているかを調査するとともに、木材伐採地に居住する先住民との対話を行いました(写真1~3参照)。
 同社が出荷する木材のうち、90%がPEFC認証材※2で残り10%が植林木となっており、法令等で伐採が禁止されている樹木はもとより、自然への影響が大きい急傾斜地等の樹木、地域住民が保存を求める樹木、蜂が営巣する特定の樹木等は含まれておらず、生物多様性に対する配慮も確実に実施されていることを確認できました。また、同社による管理体制はPEFCにより毎年実施される厳格な監査により適切であることが承認されており、今回の現地視察において、同社の持続的森林経営理念に基づく管理体制や先住民との良好な関係の構築と維持など、持続可能な木材調達の実現に向けた取り組みを確認することができました。

 当社は、今後も引き続きトレーサビリティの確保に努めるとともに、「持続可能な木材調達」の実現に取り組んでまいります。

写真1 合板加工工場
写真1 合板加工工場
写真2 先住民(イヴァン族)との交流会
写真2 先住民(イヴァン族)との交流会
写真3 伐採・植林地の状況
写真3 伐採・植林地の状況
  1. ※1

    TAISEI Green Target 2050:
    大成建設グループは、持続可能な環境配慮型社会の実現に向け、長期環境目標「TAISEI Green Target 2050」に「脱炭素社会」、「循環型社会」、「自然共生社会」の3つの社会の実現・深化と、2つの個別課題「森林資源・森林環境」、「水資源・水環境」を定め、その達成と解決に向けて様々な取組を進めている。

  2. ※2

    PEFC(Programme for the Endorsement of Forest Certification Scheme)認証材:
    ヨーロッパ11ケ国の認証組織が設立した森林認証プログラム。各国独自の認証制度を承認する仕組みで、48か国の認証制度が相互承認済。(2023年6月末現在)