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杭基礎の施工データ総合管理システム「T-Pile Recorder®」の適用範囲を拡大

既製杭に加え場所打ちの杭施工管理業務の効率化・省力化を実現

2023年10月19日
大成建設株式会社

 大成建設株式会社(社長:相川善郎)は、「生産プロセスのDX」の一環として、当社が開発・運用している杭基礎の施工データ総合管理システム「T-Pile Recorder」の機能を拡張し、これまでの既製杭に加え場所打ち杭に対しても適用できるよう範囲を拡大しました。本システムの適用により、施工管理が複雑な場所打ち杭を含め、多くの杭基礎工事における施工管理業務の効率化と省力化が実現し、さらなる生産性向上が可能となります。

 杭基礎工事では建設地の地盤条件や構造物の種類・規模などに応じて最適な杭工法を選定し、工法ごとに定められた手順と管理項目に従って施工を進めます。杭工法は工場製作した既製杭を用いるものと、建設現場で杭を造成する場所打ち杭によるものの2つに大きく分かれます。このうち場所打ち杭の施工管理は掘削から鉄筋カゴ建込み、コンクリート打設まで管理項目が非常に多く、項目ごとの施工データの確認から品質管理記録の作成・保存に至るまで多くの時間と労力を費やしています。作業所では特に、実測値の計測・入力や写真撮影に加え、品質管理記録や写真台帳整理といった書類作成業務の省力化が課題となっており、これらの業務を効率化するシステムの開発が求められていました。
 そこで当社は、保有技術である「T-Pile Recorder」の機能を拡張し、場所打ち杭においてもクラウドを利用して施工データの確認から品質管理記録の保存と施工管理書類の作成が自動化できるシステムを構築しました。これにより、多くの杭基礎工事において「T-Pile Recorder」の適用範囲が拡大しました。(表1参照)

本システムの特徴は以下のとおりです。(図1、図2参照)

  1. 1

    品質管理書類作成業務などの時間を短縮
    実測値等の施工記録をスマホなどスマートデバイスから入力し、クラウドに送信・保存することで各種管理書類や写真台帳が自動で生成できます。そのため、一連の品質管理書類作成業務に要する時間が従来の4割程度に短縮され、杭基礎の施工データ管理業務の効率化と省力化が図れます。

  2. 2

    信頼性の高い施工管理を実現
    現場での実測値入力時に入力値が管理値を超えた場合には、タブレット端末のアプリ画面や管理書類に注意喚起が表示されます。入力時や書類作成時のエラー防止機能を備えることで正確な記録・保存や書類作成が可能となり、信頼性の高い施工管理を実現できます。

  3. 3

    多くの杭基礎工事に適用可能
    「T-Pile Recorder」の適用範囲が既成杭から場所打ち杭まで広がることで、多くの杭基礎工事で施工管理業務の効率化・省力化を図ることができます。

 今後当社は、杭基礎の施工データ総合管理システム「T-Pile Recorder」を活用し、品質管理書類作成をはじめとした杭基礎工事における施工管理業務の効率化・省力化を図り、建設現場での生産性向上を推進してまいります。

表1 杭の施工法と総合管理システム(T-Pile Recorderシリーズ)
表1 杭の施工法と総合管理システム(T-Pile Recorderシリーズ)
図1 場所打ち杭の総合施工管理システムの概要

図1 場所打ち杭の総合施工管理システムの概要

図2 作業時間の削減効果

図2 作業時間の削減効果

DX認定
  • DX認定とは「情報処理の促進に関する法律」に基づき、「デジタルガバナンス・コード」の基本的事項に対応する企業を国が認定する制度です。