リリース

建設現場で発生する廃板ガラスの再資源化に関する実証試験を開始

CO2排出量の削減と循環型社会の実現に貢献

2023年9月26日
大成建設株式会社

 大成建設株式会社(代表取締役社長:相川善郎)は、AGC株式会社(代表取締役・社長執行役員CEO:平井良典)の協力を得て、温室効果ガス発生量の削減とともに循環型社会の実現に貢献することを目的に、2023年8月から解体工事により建設現場で発生する廃板ガラスの再資源化実証試験※1を開始しました。

 解体、リニューアルなどの建設工事で排出される廃板ガラスは、本来リサイクル可能な素材であり、国内の廃板ガラスを適切に回収し再資源化することでCO2排出量の削減※2や循環型社会の実現に貢献することが期待されます。しかし、廃板ガラスの再資源化は経済的な施工方法、運搬方法の確立やガラスの品質確保の他、安全性、工程、コストなど、多くの課題を抱えていることから実現が難しく、現状ではほとんどが建築用板ガラスの素材として再利用されずに最終処分等が行われてきました。また、ガラス原料には輸入に頼らざるを得ないものもあり、原料の製造から入手までの過程で多くのCO2の排出が避けられないような状況となっていました。

 そこで当社は、今回の実証試験において、AGC株式会社との協働により、建設現場で発生した廃板ガラスの再資源化に向け、ガラスの取り外し・撤去~搬出・運搬~再資源化・品質管理などの各フェーズにおける現状の課題を抽出し、リサイクルを効率的かつ安全に行い、十分な品質とコストメリットを確保するための方策を検証します。(図1参照)

図1 廃板ガラスの再資源化実証試験概要

 今後当社は、社会的課題である「資源循環」および「脱炭素」の観点から、板ガラスのリサイクルにより、サーキュラーエコノミー、カーボンニュートラル社会の実現に向けた取り組みを推進してまいります。

  1. ※1

    本実証試験は、横浜市の「産業廃棄物を使用した試験研究に関する手続要領」に基づく手続きを行い、同市から承認を受けて実施。

  2. ※2

    再資源化によるCO2排出量の削減効果:バージン材に代わり再資源化材を1トン利用する毎に、原料調達からガラス製造におけるCO2の発生量を0.7トン削減できる見込み。