グループ保有3施設のグリーン・リニューアル®ZEB化工事が完了
2023年4月24日
大成建設株式会社
大成建設株式会社(社長:相川善郎)は、当社グループ保有の関西支店ビル、横浜支店ビルおよび大成ユーレック川越工場において昨年から進めていたグリーン・リニューアル※1 ZEB※2化工事が完了しましたのでお知らせいたします。今回の取り組みでは既存建築物の特性を考慮して、それぞれに最適な省エネルギー・創エネルギー技術を導入することで、建物を使いながらの改修工事によるZEB化を実践し、建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)※3のZEB認証を取得しました。
日本政府は2050年までのカーボンニュートラル実現に向けて、2030年度に温室効果ガスを2013年度比で46%削減することを目標に掲げるとともに、目指すべき住宅・建築物の姿として、2050年にストック平均でZEH・ZEB基準の省エネ性能を確保することを明示しています。こうした流れを受け、建設業界においては新築住宅のZEH化や新築ビルのZEB化に加え、数多くの既存ストックを対象とした改修工事によるZEB化の推進を、目標達成のための重要な取り組みと位置づけています。
当社では既存建築物を環境負荷の少ない建築物に改修する「グリーンリニューアル」を積極的に推進しています。特にその中でも省エネ・創エネ技術の導入により既存建築物のZEB化を進める取り組みを「グリーン・リニューアルZEB」として市場への展開を図っています。今般、自社グループが保有する特性の異なる3施設をグリーン・リニューアルZEB化することで、建物の性能調査からZEB設計、認証取得、使いながらのリニューアル工事、改修後のエネルギーサポートまで一貫した施工技術とノウハウを確立しました。
3施設のうち、関西支店ビルでは外装への多機能な庇の設置や窓面の高断熱化、放射空調と「明るさ感」照明制御など、多様な顧客ニーズに応える先進かつ汎用性の高いZEB化技術を導入しました。また、横浜支店ビルでは中規模オフィスに適用可能な汎用性の高いZEB化技術として外装・壁面の発電システムやBEMS(ビル・エネルギー管理システム)による高度環境制御などを取り入れることで、それぞれ「ZEB Ready」を取得しました。さらに、大成ユーレック川越工場においては工場棟の大屋根にソーラーパネルを設置し年間の電力購入とCO2排出量を大幅に削減するとともに、事務所棟で『ZEB』の認証取得を実現しました。
各施設に導入した省エネ・創エネ技術(汎用、独自技術)は以下のとおりです。
- ・省エネルギー:
- 汎用/ 熱負荷低減ガラス・断熱材、高効率設備機器、採光・自然換気など
- 独自/
- 省エネルギー自動環境制御システム「T-Zone Saver®」
- 自然採光ブラインド「T-Light® Blind」
- 薄型放射空調ダクト「T-Green® Radiant Duct」
- 高断熱窓システム「T-Green® DI Window」 など
- ・創エネルギー:
汎用/ 太陽光発電など
独自/ ガラス一体型発電システム「T-Green® Multi Solar」など
今後当社は、3施設の改修工事で培った施工技術と実際の運用を通じて得られるノウハウを活かし、グリーンリニューアルの理念のもと、特に省エネルギー、創エネルギーおよび施工に関わる技術開発と、建物特性や顧客ニーズに合わせた「グリーン・リニューアルZEB」に関する提案を強力に推進し、ZEB化の検討から運用までをトータルサポートすることで、脱炭素・循環型・自然共生社会の実現にさらに貢献してまいります。
建物概要
大成建設株式会社 関西支店ビル(築32年)
- □所在地:
大阪府大阪市中央区
- □用途:事務所
- □構造種別:鉄筋コンクリート造
- □階数:地下2階/地上9階
- □延床面積:13,700m2
- □ZEB Ready取得(BEI=0.37)
- □CO2排出量:365t-CO2/年の削減(削減率52.7%)
- □光熱費:17,600千円/年の削減(削減率44.3%)


大成建設株式会社 横浜支店ビル(築50年)
- □所在地:
神奈川県横浜市中区
- □用途:事務所
- □構造種別:鉄骨鉄筋コンクリート造
- □階数:地下2階/地上9階
- □延床面積:9,340m2
- □ZEB Ready取得(BEI=0.39)
- □CO2排出量:150t-CO2/年 削減(削減率39.0%)
- □光熱費:7,000千円/年 削減(削減率38.4%)


大成ユーレック株式会社 川越工場 工場棟・事務棟
- □所在地:
埼玉県川越市中福
- □用途:工場・事務棟
- □構造種別:鉄骨造
- □階数:地上1階
- □延床面積:工場棟8,200m2・事務棟650m2
- □『ZEB』 取得【事務所棟】(BEI=▲0.09)
- □CO2排出量:24t-CO2/年 削減(削減率100.0%)
- □光熱費:1,030千円/年 削減


- ※1
グリーンリニューアル®:
当社では、「省エネ」、「創エネ」、「脱炭素」、「ウエルネス」、「スマート化」、「安心」という6つの具体的な取り組みを通じて、既存建築物をこれからの時代に相応しく、人と地球にやさしい建築物にリニューアルすることを『グリーンリニューアル®』と称している。特にその中でも、「省エネ」と「創エネ」技術を導入し、既存建築物のZEB化を進める取り組みを「グリーン・リニューアルZEB」として市場展開を図っている。 - ※2
ZEB (Zero Energy Building = ゼロ・エネルギー・ビル):
「建築物における一次エネルギー消費量を、建築物・設備の省エネ性能の向上、エネルギーの面的利用、オンサイトでの再生可能エネルギーの活用等により削減し、年間の一次エネルギー消費量が正味(ネット)でゼロ又は概ねゼロとなる建築物」と定義されている。すなわち、建物で消費するエネルギーを極限まで少なくし、さらにエネルギーを創る設備を持つことで、年間エネルギー収支がゼロとなる建物のこと。なお、ZEBの住宅版をZEH(Zero Energy House)と呼称する。 - ※3
建築物省エネルギー性能表示制度(BELS): 国土交通省が主導する新築・既存建築物の省エネルギー性能に関する評価・表示を第三者評価機関が実施する認証制度。国が定める計算方法に則りBEI(省エネルギー性能指標)値を算出し、その値によって☆の数が決定する。最高ランクの☆☆☆☆☆の中でも更に省エネルギー性能に優れた建物がZEB(『ZEB』、Nearly ZEB、 ZEB Ready、ZEB Oriented)として認証される。
- ※当社のグリーン・リニューアルZEBの取り組みは、YouTubeでご確認いただけます。