「ウエルネス作業所」の本格運用を開始

魅力的な職場環境を簡易に設定できる「ウエルネスレシピ」を確立

2020年11月27日
大成建設株式会社

 大成建設株式会社(社長:相川善郎)は、作業所で働く人達に、より魅力的な職場環境を提供し作業所における生産性向上を図るため「ウエルネス作業所」を整備し、この度、本格運用を開始しました。整備にあたっては、現場に過度な負荷をかけることなく実施するため、職場環境に関する選択肢「ウエルネスレシピ」を約100種類用意し、その中から各作業所のニーズに合った必要項目を選択することで、より働きがいのある魅力的な職場環境を提供できるようにしました。現在先行する「ウエルネス作業所」に実施状況をアンケートしたところ、それぞれの作業所に適した作業集中スペースの設置や作業員の動線を整理したことによるコミュニケーションの円滑化、緑化や屋外テラスを設置することによるストレス軽減の効果など、ウエルネスの効用を確認できました。

 「ウエルネス作業所」とは、建築・土木のものづくりの最前線である作業所を仮設型ワークプレイスととらえ、作業の負担軽減や作業環境の改善に加えて、社員・作業員間のコミュニケーション促進と心身の健康増進にも配慮した空間づくりにより、現場における生産性向上を図ることを目的とした取り組みです。

 この取り組みは当社が推進する、一人ひとりが働きがいのある魅力的な職場環境を実現するための空間「TAISEI Creative Hub」※1における「仮設型ワークプレイス」の一例であり、ワークプレイス構築に関する設計手法の技術力向上やノウハウの蓄積につながります。また、そこで展開される空間は、働く人それぞれのニーズにあった最適環境を選択するための手法ABW (Activity Based Working) など、人の活動や密度の変容に柔軟に対応できるもので、今後の新常態(ニューノーマル)時代に向けても、作業所の新たな可能性を示すことが期待されます。

 現在、先行して赤坂中学校等整備工事作業所(東京都港区)、下高井戸調節池工事作業所(東京都杉並区)、千葉市新庁舎整備工事作業所(千葉県千葉市)の3か所の作業所において「ウエルネス作業所」を整備し、運用を開始しています。

「ウエルネス作業所」の特徴は、以下のとおりです。

  1. 1

    多彩な選択肢「ウエルネスレシピ」を作成、作業所ごとにカスタマイズ可能
    作業所では、工事の規模、期間などが個々で様々であり、臨機応変な職場環境づくりが求められます。ウエルネス作業所では、作業所ごとのニーズに応えるため、職場環境に関する多彩な選択肢「ウエルネスレシピ」を作成しました。作業所ごとにレシピの中から最適な項目を選択・適用することで、ニーズに則した空間づくりを随時更新することができます。(図1参照)

  2. 2

    ワークプレイス・デザインの導入により、作業所に魅力的な空間を提供

    ウエルネス作業所では、ABWやWELL※2といった近年のオフィスに導入されている、働き方に合わせたワークプレイス・デザインを取り入れ、コミュニケーション促進やリラックス効果などを図ります。作業所における工事の進捗に応じて変化する環境特性を踏まえ、求められる空間を随時変更することが可能です。

 さらに、現在先行している三つのウエルネス作業所では、高効率な空調システム、LED照明、自然採光などの省エネ技術の導入によるZEB化の推進など、建築物省エネルギー性能の向上による地球環境への配慮にも積極的に取り組んでいます※3

 今後、当社は「ウエルネス作業所」での社員・作業員へのヒアリング調査や、各作業所の要望に応じたウエルネスレシピの更新を通じて、職場環境の更なる改善を目指し、作業所を魅力的で働きがいのある環境にする取り組みを推進し、建設業におけるイメージアップに寄与してまいります。

図1「ウエルネスレシピ」カテゴリーと例
図1「ウエルネスレシピ」カテゴリーと例
写真1 赤坂中学校等整備工事作業所 全景
写真1 赤坂中学校等整備工事作業所 全景
写真2 赤坂中学校等整備工事作業所 屋外環境
写真2 赤坂中学校等整備工事作業所 屋外環境
写真3 赤坂中学校等整備工事作業所 サンルーム
写真3 赤坂中学校等整備工事作業所 サンルーム
  1. ※1

    「TAISEI Creative Hub」:
    魅力的な職場環境を実現するための当社の取り組み
    関連リリース:https://www.taisei.co.jp/about_us/wn/2020/200217_4835.html

  2. ※2

    WELL (WELL Building Standard®):
    人々の健康とウェルネスに焦点を合わせた建築や街区の環境に関する性能評価システム。

  3. ※3

    ZEB化の推進など建築物省エネルギー性能の向上による地球環境への配慮:
    「赤坂中学校等整備工事」および「下高井戸調節池工事」では、仮設作業所事務所としては国内初となる建築物省エネルギー性能表示制度(BELS) で、ZEB Ready 認証を取得すると同時に5段階評価の最高ランクを獲得しています。