振動実験でRC造高層住宅用制振構法
「TASS-Flex® FRAME」の性能を検証

長周期・長時間地震動に対して優れた耐震性能を発揮

2017年8月7日
大成建設株式会社

 大成建設株式会社(社長:村田誉之)は、鉄筋コンクリート(RC)造の高層住宅を対象とした地震対策用制振構法「TASS-Flex® FRAME」の振動実験を行い、本構法が従来の耐震、制振構造と比べ地震の揺れを大幅に低減し、長周期・長時間地震動に対しても優れた耐震性能を発揮することを確認しました。

 2011年の東北地方太平洋沖地震や2016年の熊本地震など、近年、複数回にわたる非常に大きな揺れや継続時間の長い地震が観測されています。また、今後、発生が懸念される南海トラフ沿いの巨大地震では、東北地方太平洋沖地震を上回る長周期地震動の発生が想定されています。このように大きな揺れが繰返し起きることで、建物にひび割れなどの損傷が蓄積し、建設当初の耐震性能が低下していくことが懸念されます。
 そこで、当社は、繰返しの揺れに強い、RC造高層住宅に適した地震対策用の制振構法「TASS-Flex® FRAME」を2016年に開発しました(図1)。本構法は、開発時に数値解析によるシミュレーションによって、免震構造に匹敵する優れた耐震性能を有することを既に確認していますが、今回、30階建ての建物を想定した大型振動模型を用いて、巨大地震の揺れを再現した振動実験を行い、数値解析結果の妥当性を裏付ける結果が得られました。

 振動実験の対象構造、大型振動模型の諸元および実験結果を以下に示します。

振動実験でRC造高層住宅用制振構法「TASS-Flex® FRAME」の性能を検証

 今後、当社では、RC造高層建物の居住性、安全性の向上のため、本構法を長周期・長時間地震動や巨大地震に対して有効な地震対策構法の1つとして積極的に提案してまいります。

振動実験でRC造高層住宅用制振構法「TASS-Flex® FRAME」の性能を検証
振動実験でRC造高層住宅用制振構法「TASS-Flex® FRAME」の性能を検証
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