環境配慮型コンクリートをZEB実証棟の主要構造部材に採用
- 鉄筋コンクリート構造躯体のCO2排出量を20%以上削減 -
2014年3月7日
大成建設株式会社
大成建設株式会社(社長:山内隆司)は、このたび技術センター敷地内で建設中のZEB実証棟・新築工事(注1:以下「本建物」)において、製造過程でCO2の発生量が多いとされるセメントの一部を産業副産物に置換した環境配慮型コンクリートを、全ての主要構造部材(柱、梁、床、壁、基礎)に採用しました。環境配慮型コンクリートを採用した結果、セメントのみを結合材とする一般的なコンクリートを使用した場合に対して、本建物の鉄筋コンクリート構造躯体における材料由来のCO2量を22%削減することができました。
一般社団法人・日本建設業連合会の「環境自主行動計画・第5版(2013年4月)」では、建設業の自主的な行動として、建設に伴うCO2排出量のうち、工事における使用電力、並びに建設機械の稼働や資材運搬等による施工段階で排出されるCO2量を、1990年度を基準として施工高あたりの原単位(ton-CO2/億円)で2020年度までに20%削減する目標が掲げられています。一方、セメントや鋼材等の建設資材の使用に伴う材料由来のCO2量削減については、業界内でその重要性は叫ばれているものの、具体的な削減目標は掲げられておりません。特に、コンクリートに使用するセメントの製造時に排出されるCO2量(注2)は、我が国のCO2総排出量の約4%を占めており、関連業界で行っている材料製造に伴うCO2削減努力だけでなく、建物の設計段階におけるCO2削減が、建設業の重要課題の一つとなっています。
設計段階におけるCO2削減策として、 セメントの一部を産業副産物に置換する環境配慮型コンクリートに関して、当社では普通強度タイプおよび高強度タイプを既に実用化し、それぞれJIS認証および大臣認定を取得しております。本建物における主要構造部材の耐久性は、建築工事標準仕様書JASS5「鉄筋コンクリート工事」に示される標準供用級(約65年の耐久性)以上を確保することとし、耐久性試験(促進中性化試験)の結果等を基に、各部材に対して最適な環境配慮型コンクリートの調合を目指しました。使用したコンクリートの設計基準強度(Fc)とセメント置換率は以下の通りです。
鉄筋のかぶり厚さが大きい地下の基礎躯体(現場打ち) | Fc27、置換率70% |
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鉄筋のかぶり厚さが小さい床、その床と同時に現場打ちする上部躯体 | Fc36、置換率20% |
建物各階の梁間方向の大スパン用プレキャスト小梁・T-POP(注3) | Fc80、置換率70% |
また、1階ロビー空間に採用したRC細柱Tas-Fine(注4)には、Fc300の超高強度コンクリートを使用しておりますが、同コンクリートにも産業副産物を積極的に利用しています。
以上のように、今回一つの試みとして、環境配慮型コンクリートを全面的に採用した結果、本建物の鉄筋コンクリート構造躯体における材料由来のCO2量を22%削減することができました(総CO2削減量92ton、床面積あたり削減量72kg/m2)。
建築物の建設から、供用期間の運用、解体に至るまでのLCCO2(Life Cycle CO2 assessment)の観点では、初期の建設に伴うCO2量削減も主要な評価要因です。当社では、環境配慮型コンクリートを今後も当社の技術ブランドであるT-RC+(Taisei Reinforced Concrete Plus)の要素技術の一つとして、お客様等に提案して行く所存です。
- 注1 ZEB実証棟では、都市型オフィスのZEB化に有効な自社開発の省エネルギー技術、再生可能エネルギー利用およびエネルギー制御技術を導入、これらの先進技術を実証することにより、働きやすい環境を創造し、顧客のニースに対応できるスマートオフィス、スマートコミュニティの実現を目指します。
ZEBはZero Energy Buildingの略。 - 注2 土木学会「コンクリート技術シリーズ62 コンクリートの環境負荷評価(その2)」(2004年)によると、セメントのCO2原単位は「0.7666kg-CO2 / kg」
- 注3 高強度鉄筋(SD590、USD685)を緊張材とする当社独自の大スパン用プレキャスト梁構法である。T-POPは、Taisei Precast Optimized beam with Prestressの略。
- 注4 地震時の無損傷を確保する変形追従性と火災時の座屈に対する構造安定性を両立した当社独自の接合構法を持つ、プレキャスト鉄筋コンクリート構造(PCaRC構造)の長柱。現状の適用範囲は、柱の高さ/径比10.0〜20.0、コンクリート強度Fc100〜300、柱の断面径(または矩形断面の短辺)200〜400mm程度。
Tas-Fineは、Taisei smart Fine columnの略。

建物用途 | 事務所 |
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建築主 | 大成建設株式会社 |
設計及び施工 | 大成建設株式会社 |
建築面積 | 427.57m2、延床面積:1277.32m2 |
階数 | 地上3階・塔屋1階、最高高さ:16.350m |
構造種別 | 鉄筋コンクリート造、免震 |
- ※1免震装置およびRC長柱の上下取合い部は、一般の高強度および超高強度コンクリートを使用し、少量のため図中のCO2試算から除外
- ※2各部材のCO2排出量は使用した鉄筋(電炉鉄筋)も含め、部材のCO2削減率を算出
- ※3Tas-Fine(長柱)およびT-POP(小梁)は、在来工法からの断面縮小分も考慮して算出