自動倉庫用制震ユニット、稼働中倉庫への展開

—幅広い分野でのニーズへ対応拡大—

2014年1月14日
大成建設株式会社

 大成建設株式会社(社長:山内隆司)は、自社開発の自動倉庫用制震ユニット(特許申請中)を稼働中の大手医薬品メーカーの自動倉庫に納入しました。

 本ユニットは自動倉庫のラック最上部に設置するもので、揺れに応じてユニット内の重りが動く仕組みとなっています。重りにつながっているオイルダンパーが揺れのエネルギーを吸収しつつ、重りが揺れを打ち消す方向に動くことにより、地震時の揺れを半減できるのもです。また、施工性にも優れ、装置を設置する一部のラック以外は荷物を収納したままの状態で取り付けが可能です。

 先の東日本大震災では、荷物の落下が原因で自動倉庫内の搬送用部品が破損し、商品の保管・発送が長期間不可能となる事案が多発したため、地震対策の関心が高まりました。
これを受け、当社は2012年12月に本ユニットを開発し、新築の自動倉庫へ2013年6月に納入しましたが、稼働中の自動倉庫への納入は今回が初めてとなります。さらに今後も稼働中の大手医薬品メーカーの物流倉庫に導入することとなっており、本年度中には合わせて5施設への納入が完了する予定となっています。

 ユニットの設置にあたっては、計画段階において制震検討シミュレーション(地盤調査、振動解析など)により最適な設置台数の検討を入念に行うため、最低限のユニット設置により震度6弱の地震においても自動倉庫ラックの荷物落下を抑え、長時間の稼働停止を防ぐことができます。
さらに、簡素な仕組みと簡便な工法により低コスト化を実現するとともに、倉庫の稼働を極力妨げずに短期間で設置できることから、今回のような稼働中の自動倉庫のリニューアルにも最適なシステムです。

 現在、さまざまな自動倉庫ユーザーが同様の事業継続検討を行っているため、本ユニットの適応範囲は、食品や部品メーカーなど、ますます拡大していくと考えられます。また、特殊環境(冷凍自動倉庫など)への適用要望も増えてきているため、大成建設は、今後こうしたニーズを視野に入れた開発にも着手し、自動倉庫制震ユニットに関する積極的な展開を進めていきます。

自動倉庫用制震ユニット、稼働中倉庫への展開