クリーンルーム用青空照明「T-Clean Skylight」を開発

閉鎖空間内でウェルネスに配慮した快適な作業環境を実現

2022年12月16日
大成建設株式会社

 大成建設株式会社(社長:相川善郎)は、三菱電機照明株式会社(社長:吉村恒則)と共同で、開放的で奥行き感のある青空を模した照明器具を用いて、クリーンルームの清浄環境に適応可能な構造を持つ照明「T-Clean Skylight」を開発しました。

 製薬工場や精密機器工場などに設置されるクリーンルームは、防虫や直射日光に対する製品保全等の観点から、室内に自然光が入る窓を配置することがほとんどなく閉鎖空間となるため、そこで作業を行う従業員は圧迫感を受けやすくなっています。一方で、室内の照明器具はクリーンルームに適応した室内清浄環境を維持する構造を採用する必要があり、クリーンルーム内での開放感や作業効率を向上させるような空間演出を実現するには、一般的な照明器具では制約をうけるなど多くの課題がありました。

 そこで、両社は、三菱電機照明(株)の青空を模した照明器具をベースに、クリーンルームの清浄環境に適応した構造を持つ新たな照明「T-Clean Skylight」を開発しました。本照明は、室内で必要な照度と閉鎖空間における開放感の演出を兼ね備えており、ウェルネスに配慮した快適な作業環境の実現に加え、照明器具内や天井裏の気密性を図ることでクリーンルームの清浄環境の確保も実現しています。

 本照明の特徴は以下のとおりです。

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    青空を高精度に再現(図1参照)
    レイリー散乱と呼ばれる、空が青く見える自然現象と同じ原理を照明器具に採用しているため、奥行き感のある青空と同様に自然な色合いの光を高精度に表現できます。

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    人体の生活リズムに配慮した空間を演出(図2参照)
    照明器具の調光機能を使い、日中の青空はもとより、日の出から夜間まで時間とともに移り変わる空のイメージを表現することができます。また、点灯や調光のタイミングを自由に設定できるスケジュール制御が可能なため、一日の時間帯に合った光の表現ができ、サーカディアン照明(人体の生活リズムに合った照明)として空間演出に活用できます。

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    クリーンルーム環境に適応可能
    照明器具や本体ケースにパッキンを設けて、照明器具内や天井裏の気密を保持することで、クリーンルーム内の空気圧や温湿度等の室内環境を乱さない構造を採用しています。

 今後、当社は、クリーンルーム以外の窓のない閉鎖空間に対しても、開放感を向上させ快適な環境を実現する照明器具として本照明を積極的に提案してまいります。

図1「T-Clean Skylight」本体外観
図1「T-Clean Skylight」本体外観
図2 時間帯による照明器具の青空イメージの表現状況
図2 時間帯による照明器具の青空イメージの表現状況