工事車両の移動式防音囲いを開発

狭い敷地内でも容易に移設でき発生音を効率的に低減

2022年11月30日
大成建設株式会社

 大成建設株式会社(社長:相川善郎)は、コンクリートポンプ車など工事車両から発生する音の低減対策として、狭い敷地内でも容易に移設が可能な防音囲いを開発しました。本設備は、吸音材を内張りした防音シートで覆われた軽量でコンパクトなキャスター付きユニットで構成されており、車両の移動に合わせてユニットごと移設できるため、車両から発する音の低減対策を効率よく、安全に行うことが可能です。

 建設工事では、様々な工事車両が工事現場内で稼働するため、車両周辺では作業に伴いエンジンやモーターなど大きな音が発生します。特に、工事現場におけるコンクリート打設作業では、ミキサー車で搬入されたコンクリートが固まる前に連続して作業を行う必要があり、ポンプ車から高圧・高速でコンクリートを圧送するため、大きな音が発生し、長時間にわたり継続することが課題となっていました。そのため、従来の対策では鋼製足場に防音シートを張った防音囲いを車両周辺に設置していましたが、囲い本体が大型で重量があり設置面積も拡がるため、車両の移動に伴う防音囲いの移設に多大な手間や時間がかかっていました。

 そこで当社は、この度、コンクリートポンプ車を対象に、防音シートで覆われた軽量なキャスター付きユニットで構成され、狭い敷地でも容易に移設できる防音囲いを開発しました。

 本設備の特徴は以下のとおりです。(写真1~3参照)

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    軽量、コンパクトなユニットにより容易に移設可能
    本設備は軽量でコンパクトな形状のキャスター付きユニットで構成されているため、防音囲いの分割・移動・設置が容易で、また、車両などを用いてユニットごと搬入・搬出が可能なため、現場での組立・解体の手間を減らすことができます。コンクリートポンプ車の防音囲いの場合、作業員4名による組立~移動~解体までを2時間程度で行え、従来の作業時間の約30%で実施可能です。

  2. 2

    高い防音効果を確保
    各ユニットを覆っている防音シートの内側に吸音材を貼り込み、高い防音効果を確保しました。従来方式よりも約20%の省スペースで、ほぼ同等の5~10dBの防音効果を実現でき、本設備を用いて発生場所を集中的に防音することが可能です。

  3. 3

    作業時の安全性を確保
    車両の音源となるエンジンやモーターなどの位置に合わせて、囲いユニットの高さを低く(最大2m以下に)抑え、安定性の高い形状とすることで、組立・移動・解体等の作業時に各ユニットの転倒などが発生しないよう、作業時の安全性を確保しています。

 今後、当社は土木・建築分野を問わず、工事現場においてコンクリートポンプ車から発生する音の低減対策に本設備の適用を進めるとともに、技術提案への導入やその他の工事車両の対策としても、本設備を積極的に活用してまいります。

写真1 移動式防音囲いユニット(白色:防音シート、緑色:吸音材)
写真1 移動式防音囲いユニット(白色:防音シート、緑色:吸音材)
写真2 移動式防音囲い設置状況(コンクリートポンプ車あり)
写真2 移動式防音囲い設置状況(コンクリートポンプ車あり)
写真3 移動式防音囲い設置状況(囲いのみ)
写真3 移動式防音囲い設置状況(囲いのみ)