環境配慮コンクリートを適用した「T-EAGLE®杭工法」で技術認証を取得

場所打ち杭のCO2排出量を最大で60%削減可能

2022年11月24日
大成建設株式会社

 大成建設株式会社(社長:相川善郎)は、環境配慮コンクリート「T-eConcrete® /建築基準法対応型(以下、T-eConcrete※1)」を適用した場所打ち鉄筋コンクリート杭工法「T-EAGLE杭工法※2」の技術認証を取得しました。これにより、T-EAGLE杭工法へのT-eConcreteの使用が可能となり、場所打ち杭のCO2排出量を最大60%程度削減できます。
 2050年のカーボンニュートラル実現に向け、建設現場で用いる様々な材料や施工法などについてCO2排出量を削減することは重要な取り組みの一つです。しかし、現在、建築物の基礎に用いられる一般的な場所打ちコンクリート杭工法では、これまで「高炉セメントC種※3」を用いたコンクリートの適用について技術認証を取得しているものはなく、同コンクリートを用いて杭を施工する際には、建築物ごとにコンクリート強度を確認するなど品質に関して個別に実証する必要がありました。
 そこで、当社は、高炉セメントC種に該当する自社開発のT-eConcreteを場所打ち杭へ適用するため、杭の品質管理・施工管理方法を整備し、(一財)ベターリビング立会いのもと、同コンクリートを実大杭に打込む現場実証実験を行いました。その結果、コンクリート強度が所定の値を満足し、管理方法の適切さが確認されたため、T-EAGLE杭工法で使用できるコンクリートとして、この度、建設技術審査証明を取得しました。

 T-eConcreteを適用したT-EAGLE杭工法の特徴は以下のとおりです。

  1. 1

    CO2排出量を大幅削減
    従来の普通ポルトランドセメントの配合によるコンクリートを用いた場所打ち杭に比べ、CO2排出量を最大で60%程度削減することができます。

  2. 2

    従来の場所打ち杭と同等以上の性能を保有
    現場実証実験から、従来と同様の杭施工方法で、普通ポルトランドセメントによる 場所打ち杭と同等以上の強度や耐久性を有する場所打ち杭を構築できることが確認されました。

 今後、当社は、T-EAGLE杭工法へのT-eConcreteの適用を促進し、脱炭素社会の実現に向けた建築物の基礎工法として本工法を積極的に提案してまいります。

図1 T-eConcrete(建築基準法対応型)概要
図1 T-eConcrete(建築基準法対応型)概要
図2 実証実験で施工したT-EAGLE杭(3Dイメージ)
図2 実証実験で施工したT-EAGLE杭(3Dイメージ)
図3 実証実験でのT-EAGLE杭施工状況(杭頭部の状況)
図3 実証実験でのT-EAGLE杭施工状況(杭頭部の状況)
  1. ※1

    T-eConcrete/建築基準法対応型:
    ポルトランドセメントの高炉スラグ微粉末への置換率が60~70%であり、建築基準法の指定建築材料として使用できるコンクリートであり、高炉セメントC種相当に該当するもの

  2. ※2

    T-EAGLE杭工法:
    大成建設株式会社がシステム計測株式会社と共同開発した場所打ち杭工法

  3. ※3

    高炉セメントC種:
    高炉スラグの混合割合が60%超70%以下で、高炉セメントA種、B種に比べ、ポルトランドセメントに混ぜる高炉スラグの分量が最も多いセメント