CO2排出量評価ツール「T-CARBON SoilReme」を構築

土壌浄化工法別にCO2排出量を可視化し、最適工法を選定

2022年9月12日
大成建設株式会社

 大成建設株式会社(社長:相川善郎)は、様々な土壌浄化工法に応じてCO2排出量を算出・提示する評価ツール「T-CARBON SoilReme」を構築しました。本ツールの適用により、各工法の浄化効果、工期、コスト等に加え、CO2排出量も可視化できるため、カーボンニュートラルへの取り組みを見据えた最適な土壌浄化工法の選定が可能となります。

 従来の土壌浄化工法の選定では、評価対象として浄化効果、工期、コスト等が主な選定項目であり、これまでCO2排出量の数値までは考慮されていませんでした。今後、カーボンニュートラル社会の実現に向けた世界的な流れの中で、お客様のCO2排出量削減への関心や取り組み意識は増々高まりを見せており、土壌浄化分野でもCO2排出量が重要な選定要素となります。

 そこで当社は、カーボンニュートラルに関するお客様からのニーズに迅速に対応でき、土壌浄化工法別にCO2排出量を算出・提示できる評価ツール「T-CARBON SoilReme」を構築しました。(図1、図2参照)

 本ツールの特徴は以下のとおりです。

  1. 1

    浄化効果、工期、コスト等に加え、CO2排出量も評価して土壌浄化工法を選定可能
    本ツールは、土壌浄化工法選定時の評価項目にCO2排出量も取り入れて工法別に比較し評価することで、これまでの浄化効果、工期、コスト等に加え、カーボンニュートラルにも配慮した浄化工法の選定が可能となります。また、CO2排出量のより少ない浄化工法の選定により、お客様の環境目標などへの貢献が期待されます。

  2. 2

    土壌浄化工法別にCO2排出量を含む各種評価項目の比較結果を可視化
    土壌浄化工法別にScope1~3ごとにCO2排出量などを含めた各種評価項目の比較結果を自動作表できます。図表の可視化により、一般的な掘削除去工法※1と比較し、CO2排出量の少ない工法(鉄粉混合撹拌工法※2、嫌気バイオ工法※3)等を的確に選定することが可能となります。また、設計段階で工種ごと(土工、運搬工、浄化工等)のCO2排出量を算出・分析することで、CO2排出量をさらに削減するための検討にも活用することができます。

  3. 3

    更新、カスタマイズが容易で、関係者間での合意形成に有効活用
    本ツールは、エクセルで構成され更新やカスタマイズが容易なため、打合せ時にその場でCO2排出量を算出・提示でき、お客様との円滑なコミュニケーションや関係者間での合意形成に活用できます。

 今後、当社は、土壌汚染調査・対策工事において、「T-CARBON SoilReme」を積極的に活用し、お客様のカーボンニュートラルへの取り組みを支援してまいります。

図1 土壌浄化工法別の評価結果比較(例)
図1 土壌浄化工法別の評価結果比較(例)
図2 土壌浄化工法別のCO2排出量の評価結果比較(例) (単位排出量:浄化工法1m3当たりのCO2排出量)
図2 土壌浄化工法別のCO2排出量の評価結果比較(例)
(単位排出量:浄化工法1m3当たりのCO2排出量)
  1. ※1

    掘削除去工法:汚染土壌を掘削し、清浄な土壌を場外から搬入・埋め戻す工法

  2. ※2

    鉄粉混合撹拌工法:原位置において鉄粉を地盤中に投入・撹拌することで、鉄粉の作用により汚染物質を分解する工法

  3. ※3

    嫌気バイオ工法:原位置において地盤中の有用菌を活性化させるように環境を整え、バイオの力で汚染物質を分解する工法