放射式植物栽培ユニット「T-GreenVegeunit」を開発
植物の品質向上と効率よい生産を実現
2022年4月6日
大成建設株式会社
大成建設株式会社(社長:相川善郎)は、閉鎖型植物工場関連の栽培システムとして、放射式植物栽培ユニット「T-GreenVegeunit」を開発しました。本ユニットは、どこにでも設置可能で、栽培設備の省エネルギー化と栽培空間温度の均一化により、植物の品質向上と高い生産効率を実現します。
従来の植物工場は、室内の温度変化を防ぎ栽培に適した環境を維持するため、建物の断熱工事や大型の空調設備による室内全体の温度調整が必要とされてきました。また、天井の高い空間に栽培ユニットの棚段数を増やして設置した場合、室内全体で空調しても上層と下層の栽培棚で温度差が生じてしまい、植物の成長にばらつきが出て品質管理の面で課題がありました。
そこで、当社は、栽培棚毎に配置された養液の設定水温を制御し、各栽培棚の下面にあるLED照明部分に効率よく熱を伝える工夫を施すことで、棚の面全体からの熱放射を利用して照明直下にある栽培棚の空間温度を個別に制御する植物栽培ユニット「T-GreenVegeunit」を開発しました。(図1参照))
本ユニットの特徴は以下の通りです。
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空間規模に応じて、どこにでも設置可能
本ユニットは、本体内に小型温度調節機器と養液タンクを備えることで、室内の大型空調工事や給排水配管等の接続が不要となり、ユニット単体で機能させることが可能です。そのため、新設・既設を問わず、設置空間の規模に応じて、適切な配置で本ユニットを設置して、植物を栽培することができます。(写真1参照) - 2
省エネルギー性能をさらに向上
本ユニットで使用するLED照明は、従来の蛍光灯方式に比べ消費エネルギーを64%削減した既開発システム※1からさらに省エネルギー性能を20%向上させた新システムを採用しています。(図2参照) - 3
栽培棚の空間温度を均一化し、植物の成長過程でのばらつきを抑制
本ユニットでは、栽培棚毎に熱放射を利用して空間温度を均一制御できるため、従来の栽培棚配置の高低による温度差を解消し、植物が成長する際のばらつきをなくします。
今後、当社は、新設の植物工場に留まらず、空間の有効活用として既存倉庫、営業中のレストランやホテルロビー、廃校の再利用などに対して、本ユニットの導入を積極的に提案してまいります。
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既開発システム:2015年に開発した超省エネタイプの次世代型LED植物工場ユニットで、
従来の蛍光灯方式に比べ消費電力を64%削減することが可能。
2018年日本機械工業連合会優秀省エネルギー機器表彰会長賞受賞。
https://www.taisei.co.jp/about_us/wn/2015/150526_3728.html