環境配慮型CCUS一貫実証拠点・サプライチェーン構築事業への参画

バイオマス発電所で発生したCO2を輸送・貯留する技術の検討を開始

2021年9月30日
大成建設株式会社

 大成建設株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:相川 善郎)は、一般財団法人石炭フロンティア機構(JCOAL)を代表とする国内13機関※1共同で、環境省から公募された「環境配慮型CCUS一貫実証拠点・サプライチェーン構築事業委託業務(輸送・貯留等技術実証)」(以下、本事業)に応募し、2021年8月に採択されました。本事業の実施期間は、2021年度から2025年度の5年間を予定しています。

 我が国では、2050年カーボンニュートラル実現を宣言しており、これに伴い、令和3年4月に「2030年温室効果ガス削減目標46%(2013年比)」※2が表明されています。これを実現するためには、革新的な省エネルギー技術や再生可能エネルギーを最大限に活用するとともに、CO2を回収し有効利用又は貯留するCCUS技術※3の実現が求められています。本事業では、商用規模のバイオマス発電所※4で発生する排ガスから分離・回収されたCO2を液化・圧縮後、CO2輸送船にて貯留地まで運搬し、海底下の地下深部に貯留するまでの一貫実証試験に向けた検討を行います。

 現在、当社は中期経営計画(2021-2023年)の重点課題に「カーボンニュートラルに向けた取り組みの加速」を掲げており、その具体策の一つとして、CO2地中貯留関連技術の開発を進めています。本事業においては、発電所や工場などから回収されたCO2を船舶にて輸送するための出荷・港湾設備についての検討と、長年にわたり研究開発を進めている「CO2地中貯留シミュレーション技術」を用いて、貯留候補地のCO2貯留可能量や地下深部に圧入後のCO2挙動などの評価を担当します。

 今後、当社は、本事業を通じて、CO2輸送施設の建設技術ならびにCO2地中貯留の評価技術を確立し、CCUSのフロントランナーを目指すとともに、2050年のカーボンニュートラル社会の実現に貢献してまいります。

一貫実証試験のイメージ(仮)
一貫実証試験のイメージ(仮)
  1. ※1

    石炭フロンティア機構(JCOAL)、東芝エネルギーシステムズ、上野トランステック、日揮、千代田化工建設、大成建設、東京大学、九州大学、ダイヤコンサルタント、日本エヌ・ユー・エス、産業技術総合研究所、QJサイエンス、太平洋セメント

  2. ※2

    エネルギー基本計画(素案)の概要
    https://www.enecho.meti.go.jp/committee/council/basic_policy_subcommittee/2021/046/046_004.pdf

  3. ※3

    CCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage):
    火力発電所やセンメント工場などから排出されるCO2を回収、有効利用又は貯留する技術

  4. ※4

    バイオマス発電:動植物など生物由来の再生可能な資源を燃焼する発電方式。光合成により大気から吸収したCO2由来のため、温室効果ガスを増やさない脱炭素型の発電方式。