大規模生産施設において国内初となる『ZEB』認証を取得

「BELS」最高ランクの5つ星を獲得

2021年9月21日
大成建設株式会社

 大成建設株式会社(社長:相川善郎)は、一次エネルギー収支ゼロを目指す工場『ZEF』※1の第一号プロジェクトとして始動した「OKI本庄工場H1棟」(図1、表1参照)において、建築物省エネルギー性能表示制度(Building Energy-efficiency Labeling System、以下「BELS」)」※2で、5段階評価の最高ランクを獲得すると同時に、大規模生産施設で国内初となる『ZEB』※3認証を取得しました。(図2参照)

 政府が2014年に策定したエネルギー基本計画において、「2020年までに新築公共建築物等で、2030年までに新築建築物の平均でZEBの実現を目指す。」という目標が示されました。当社はエネルギー基本計画の発表後、間もなく技術センター内に「ZEB実証棟(BELS最高ランクの評価第一号物件)」を建設し、ZEB建築にかかわる技術の基礎研究を開始しました。その後、オフィスビルなどでZEB等を実現した建築物を多数建設することで、技術とノウハウを蓄積してまいりました。さらに、ZEBプランナー登録※4、ZEBリーディング・オーナー登録※5などのZEB化への取り組みを積極的に行い、ZEB建築のリーディングカンパニーとして「市場性のあるZEB」の普及拡大に取り組んでいます。

 本工場では建物の高断熱化はもちろんのこと、室内のCO2濃度に応じた換気制御等を導入することで空調エネルギーを削減し、人感センサーによる照明制御等を採用することで照明エネルギーを削減しました。さらに屋根面積の約半分に太陽光発電設備を採用することで、エネルギー消費を大幅に上回る創エネルギーを実現しました。
 その結果、一次エネルギー消費量を51%削減するとともに、太陽光発電で82%のエネルギーを創出することで、工場全体で133%削減(BEI=-△0.33)を達成しました。(図3参照)

図1 OKI本庄工場外観パース(イメージ)
図1 OKI本庄工場外観パース(イメージ)
 表1 建物概要
表1 建物概要
図2 『ZEB』認証取得
図2 『ZEB』認証取得
"図3
図3 ZEBチャート

 「OKI本庄工場H1棟」は、生産稼働状況によって空調や換気、照明を制御して省エネを図る当社の独自技術である「T-Factory NEXT」の導入や、当社エネルギーサポートセンターによる、クラウドシステムを用いた工場内のエネルギーデータのコンサルティング、OKI独自のセンシング技術を活用することで、運用段階の『ZEF』と建物管理のDXを目指してまいります。

 今後、当社は生産施設全般の顧客に対して、『ZEB』や『ZEF』に関する様々な提案を行い、普及展開を図ることで、脱炭素社会の実現に貢献してまいります。

  1. ※1

    ZEF(ゼフ)
    ZEFとは、ZEFの定義とZEFチャートに示すとおり、工場全体の空調・換気・照明設備のスマート化などによる省エネルギーおよび再生可能エネルギー導入による創エネルギーによって、生産工場に必要な年間の一次エネルギー収支をゼロにすることを目指した工場と位置付けています。

  2. ※2

    BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)
    国土交通省が主導する建築物の省エネルギー性能に特化した、第三者による認証制度です。国が定める計算方法に則りBEI(省エネルギー性能指標)値を算出し、その値によって5段階で☆の数が決定します。最高ランクの☆5の中でも更に省エネルギー性能に優れた建物がZEBとして認証されます。

  3. ※3

    『ZEB』(ゼブ)

    創エネルギー分を除き基準一次エネルギー消費量から50%以上の一次エネルギー消費量を削減し、創エネルギー分を加えて基準一次エネルギー消費量から100%以上削減した建築物。

  4. ※4

    ZEBプランナー登録
    経済産業省の「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル実証事業」、「ZEBロードマップ」の意義に基づき、一般に向けて広くZEB実現に向けた相談窓口を有し、業務支援を行い、その活動を公表する登録制度です。一般社団法人 環境共創イニシアチブが公募・認定します。

  5. ※5

    ZEBリーディング・オーナー登録
     経済産業省の「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル実証事業」、「ZEBロードマップ」の意義に基づき、自らのZEB普及目標やZEB導入計画、ZEB導入実績を一般に公表する先導的建築物のオーナーの登録制度です。一般社団法人 環境共創イニシアチブが公募・認定します。