ページの先頭になります。

ページ内を移動するためのリンクです。

機械撹拌式地盤改良工法「WinBLADE®工法」の撹拌翼を用いた新規工法を開発

汎用地盤改良機による障害物の回避施工を効率化し、コスト削減を実現

2021年6月30日
大成建設株式会社
日特建設株式会社

 大成建設株式会社(社長:相川善郎)と日特建設株式会社(社長:和田康夫)は共同で、機械撹拌式地盤改良工法「WinBLADE工法※1」(写真1参照)で用いる地中拡翼型の撹拌翼を汎用地盤改良機に装着した新たな工法を開発しました。これにより、障害物の回避が必要な場合の地盤改良を汎用地盤改良機で実施することで施工の効率化が図れ、また、障害物を回避する際に使用する従来工法である高圧噴射撹拌工法※2に対して、約10%のコスト削減を実現することができます。

 現在、社会インフラの老朽化対応として維持・改修の比率が高まる傾向にあり、地盤改良工事においても既存構造物の改修などに伴う適切な地盤補強工法が求められています。このうち、土壌にセメントミルクを混合・撹拌して地盤強度を向上させる機械撹拌式の地盤改良工法は多くの場所で適用されてきました。従来の地盤改良では、施工場所での表層舗装や配管類などの障害物のない「一般部」施工には固定式撹拌翼※3による機械撹拌式工法を用い、障害物の回避が必要な「特殊部」施工には高圧噴射撹拌工法を使用するなど各工法を使い分けてきました。そのため、同一施工場所で障害物の有無により、専用施工機械がそれぞれ必要となり、施工手間が生じることで、コストの増加につながるなどの課題がありました。

 そこで当社は、独自開発したWinBLADE工法で用いる地中拡翼型撹拌翼を汎用地盤改良機に装着することで、WinBLADE工法と同等の機能を汎用地盤改良機に付加することができる新たな工法を開発しました。

 本工法の特徴は以下のとおりです。

  1. 1

    汎用地盤改良機に装着する撹拌翼を切り替え、障害物の回避施工を効率化
    今回、汎用地盤改良機の回転機構や着脱機構、制御システムなどを改良することにより、WinBLADE工法の地中拡翼型撹拌翼の装着を実現しました。(写真2参照)これにより、1台の汎用地盤改良機に装着する撹拌翼を固定式と拡翼式に切り替えることで、障害物の有無による「一般部」と「特殊部」での施工が可能となります。(表1、図1参照)また、汎用地盤改良機による改良体造成は、鉛直方向に限定されるものの、従来工法に対し施工治具の着脱回数低減などにより約半分の施工時間で済み※4、障害物の回避施工の効率化を実現しました。

  2. 2

    汎用地盤改良機や付帯設備の共通利用によりコストを削減
    本工法では、1台の地盤改良機により施工することができ、従来個別に必要であったセメントミルクプラントなどの付帯設備も1種類で済みます。そのため、これまで「特殊部」の施工に用いる高圧噴射撹拌工法に対し、本工法では約10%のコスト削減※4が可能となります。

 今後、当社は、障害物の回避施工が必要となる臨海部埋立地に立地する産業施設など既存社会インフラの液状化対策に伴う地盤改良工事において、WinBLADE工法の特徴を有する本工法の積極的な展開を図ってまいります。

写真1 WinBLADE工法(従来の施工機械)
写真1 WinBLADE工法(従来の施工機械)
表1 障害物の有無による施工法の適用状況比較
写真2 汎用地盤改良機及び撹拌翼の切り替え
写真2 汎用地盤改良機及び撹拌翼の切り替え
図1 障害物を回避した特殊部施工イメージ
図1 障害物を回避した特殊部施工イメージ
  1. ※1

    WinBLADE工法:地中で開閉可能な小型の撹拌翼を特徴とする機械撹拌式の地盤改良工法。従来の機械撹拌式工法では不可能とされた、表層舗装や配管類などの地中障害物を回避した施工や既存構造物の配置・形状に応じた斜め方向での改良体造成などバリェーションの多い地盤改良が可能。これまでに当該工法専用の標準施工機(パーカッションドリルマシン)による斜め施工のほか、小型施工機による建物内での施工実績がある。

  2. ※2

    高圧噴射撹拌工法:土中で高圧のセメントミルクを噴射する地盤改良工法。小型機械施工により狭隘部や障害物を避けた施工に有利な一方で、出来形をはじめとする改良体の品質は地盤性状に依存する傾向があるとされている。

  3. ※3

    固定式撹拌翼:土中でセメントを混合するための一般的な撹拌翼。羽根は固定式のため、地中障害物を避けた施工には不向きとなる。

  4. ※4

    改良体径φ1.2m、削孔長14m、造成長11mでの試算結果