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プレキャスト床版接合技術「Head-bar® ジョイント」を開発

道路橋床版取替え工事の施工性向上による工期短縮を実現

2021年3月29日
大成建設株式会社

 大成建設株式会社(社長:相川善郎)は、道路橋の床版取替え工事において、事前に工場製作されたプレキャスト床版(以下、PCa床版)を現地で接合する際、接合部の間詰幅を短縮し、間詰作業の施工性を向上させることで工期短縮を実現する新しい接合技術「Head-bar※1ジョイント」を開発しました。

 高度経済成長期に建設された道路橋の鉄筋コンクリート製床版(以下、RC床版)は、塩害や疲労等による劣化が顕在化しており、現在、劣化した既存RC床版をPCa床版に取替える工事が多数計画・実施されています。床版取替工事では、工事に伴う交通への影響などを最小限に抑制する必要があり、現地での施工期間をできるだけ短縮し、速やかに供用を再開することが重要な課題となっています。
 そこで当社は、現地での施工性を向上させ工期短縮を実現する新しいPCa床版接合技術「Head-barジョイント」を開発しました。本技術では、当社保有のプレート定着型せん断補強鉄筋「Head-bar」を接合部構造に適用し、従来設備で製造可能な高強度繊維補強モルタルを間詰材として使用しています。

 本技術の特徴は、以下のとおりです。(写真1・2、表1参照)

    1. 1

      PCa床版接合部の間詰幅を大幅に縮小
      Head-barと高強度繊維補強モルタル間詰材の併用により、PCa床版接合部での鉄筋応力の伝達性能を向上させたことにより、PCa床版間の間詰幅を従来のループ継手を用いた場合に比べ1/3程度(110mm)に縮小することができます。

    2. 2

      間詰部での配筋工程を省略
      従来技術※2では間詰幅が大きいため、床版接合部における構造物の強度を確保するには間詰部内に別途橋軸直角方向鉄筋を配置する必要がありました。しかし、本技術では、間詰幅の縮小により追加の配筋がなくても、単位長さ当たりにおける間詰部付近の配筋量と床版本体の配筋量がほぼ同等となり、また、間詰材に含まれる鋼繊維による応力分散も期待できることから、橋軸直角方向の配筋が不要で、配筋工程を省略できます。

    3. 3

      間詰材の数量低減等により施工性を向上
      間詰幅が従来の1/3程度に縮小され、間詰材の数量も1/3となります。その結果、間詰部型枠の簡略化が図れ、また小型の間詰材製造機械および打込み機材による間詰作業が可能となり施工性が向上します。

    4. 4

      接合部の耐久性を向上
      本技術の継手構造では間詰材に使用する高強度繊維補強モルタルの緻密化および収縮抑制により、従来の技術と同等以上の接合部の耐久性が確保されます。

 今後、当社は、中国自動車道(特定更新等)赤山橋他4橋床版取替工事(発注者:西日本高速道路(株)中国支社)への本技術の適用準備を進めるとともに、さらなる適用拡大に向け、高速道路橋などのRC床版取替え工事に積極的に提案してまいります。

写真1 Head-barジョイントの概要
写真1 Head-barジョイントの概要
写真2 間詰材の充填状況
写真2 間詰材の充填状況
表1 本技術と従来技術の比較
表1 本技術と従来技術の比較
    1. ※1

      Head-bar
      異型鉄筋の先端にプレートを摩擦圧接で接合したものであり、機械式鉄筋定着工法として開発された技術です。Head-barは、半円形フックと同等以上の定着性能を有し、両端半円形フックでは施工困難な場所にも迅速に施工でき、配筋作業の単純化と省力化を可能にするもので、多数の採用実績があります。

    2. ※2

      従来技術
      橋軸直角方向に鉄筋を配置(間詰1箇所につき6本)し、間詰コンクリート(設計基準強度50N/mm2クラスの収縮補償コンクリート)を打ち込みます。