土壌汚染調査・対策業務支援システム「T-CIM®/SoilReme」を開発

三次元図面活用により情報を一元管理し、作業効率を向上

2020年10月30日
大成建設株式会社

 大成建設株式会社(社長:相川善郎)は、土壌汚染にかかる調査および掘削除去などの対策業務に必要な調査図面や帳票を簡易な操作で自動作成し、調査結果や施工管理に係る全ての情報を三次元図面に紐づけ、システム内で一元管理できる業務支援システム「T-CIM/SoilReme」を開発しました。

 土地取引や開発工事などの際、事前に実施する土壌汚染の調査業務では土壌汚染対策法に基づき、汚染物質※1ごとに調査図面やその結果を作成・整理し、その分析結果を帳票として保管する必要があります。特に大規模サイトや調査対象の汚染物質が多岐にわたる場合には、調査結果の取り纏めや対策計画の策定に多くの時間を要していました。また、対策業務では汚染状況等によって最適な工法を選定する必要がありますが、調査結果から得られた調査図面や帳票からは汚染状況を立体的に捉えることが難しいため、関係者間での合意形成が図りづらいという課題がありました。

 そこで当社は、上記課題を解決するため、以下の特徴を持つ土壌汚染調査・対策業務支援システム「T-CIM/SoilReme」を開発しました。(図1、図2参照)

【「T-CIM/SoilReme」の特徴】

  1. 1

    調査図面や帳票の自動作成により、調査業務を迅速化
    本システムでは、AutoCAD とExcelを活用し、調査図面や帳票を自動作成できるため、従来の方法と比べ土壌汚染の調査期間を約30%短縮することができます。

  2. 2

    三次元図面を活用して汚染状況を可視化し、合意形成を円滑化
    本システムでは、三次元図面により汚染状況を視覚的に把握できるため、関係者間の円滑な合意形成を図れます。また、三次元図面の活用により、対策業務の進捗状況などもビジュアルに確認することが可能です。

  3. 3

    全ての情報を一元管理し、調査・対策業務を合理化

    従来は別々に管理されていた土壌汚染調査から対策業務(掘削・搬出管理まで含む)までの全ての情報を三次元図面に紐づけ、システム内で一元管理できるため、汚染土壌のトレーサビリティ※2を確保することができます。また、本システムから必要な情報をいつどこでも入手・活用できるため、土壌汚染調査・対策業務の生産性向上が図れます。

 今後、当社は、土壌汚染調査・対策業務において「T-CIM/SoilReme」を積極的に活用し、将来の事業計画を踏まえた効率的な汚染対策を顧客に対し提案してまいります。

図1 「T-CIM/SoilReme」で自動作成する調査図面・帳票(左)と三次元図面(右)
図1 「T-CIM/SoilReme」で自動作成する調査図面・帳票(左)と三次元図面(右)
図2 「T-CIM/SoilReme」による情報一元管理のイメージ
図2 「T-CIM/SoilReme」による情報一元管理のイメージ
  1. ※1汚染物質:
    土壌汚染対策法で定める26種類の特定有害物質を示し、トリクロロエチレンや鉛等がある。
  2. ※2

    汚染土壌のトレーサビリティ:
    汚染土壌に含まれる汚染物質や汚染濃度などの属性情報に加え、対策時の掘削除去、場内および処理施設への移動履歴など、汚染土壌が適正に取り扱われていることを確認することができる。