病棟間のナースコールシステムを連携させるソフト「T-Flex Nursecall」を開発

空きベッドのフレキシブルな運用を実現し、病棟のベッド稼働率の向上に寄与

2020年8月21日
大成建設株式会社

 大成建設株式会社(社長:相川善郎)は、アイホン株式会社(社長:加藤康次)と共同で、病棟間のナースコールシステム※1を連携させることが可能となるソフト「T-Flex Nursecall」を開発しました。本ソフトは、新設や既存のナースコールシステムに容易に導入することができるため、ナースコールの機能を停止させる必要もなく、配線の引き直し工事も不要です。ナースコールシステムが連携されることで、空きベッドのフレキシブルな運用を実現し、病棟間のベッド稼働率の向上に寄与します。※2

 各病室のベッドに備え付けられているナースコールシステムは、入院中の患者が看護師などの医療従事者に連絡する際に用いる重要なライフラインの一つですが、現状のナースコールシステムは病棟のスタッフステーション単位でサーバーが独立しており、別病棟のスタッフステーションに設置されているナースコールシステムとは連携されていませんでした。そのため、別病棟に空きベッドが存在してもナースコールが連携していないという理由でベッドが使用できず、ベッドの平均稼働率が80%程度に滞り、入院待ち患者が発生する原因のひとつとなっていました。
 また、病棟間のナースコールシステムを連携させるためには、一度既存のナースコールシステムの機能を停止させ、大規模な配線引き直し工事やデータ修正作業が必要となり、病棟が稼働している状況での作業は困難でした。

 そこで当社は、病棟単位で独立しているナースコールシステムを連携させることが可能となるソフト「T-Flex Nursecall」を開発しました。
 これまで病棟毎に設置されていたナースコールシステムのサーバーに本ソフトを導入することで、各病棟の空きベッド状況などの情報を集約し、他病棟のナースコールシステムに情報伝送する専用サーバーとしての連携機能が備わります。この機能により病棟間のナースコールシステムをリアルタイムに連携することが可能となり、空きベッドのフレキシブルな運用を実現します。(図1参照)

「T-Flex Nursecall」の特徴は以下のとおりです。

  1. 1

    ナースコールシステムの機能を停止させずに連携が可能
    従来のシステムでは、配線の引き直し工事やデータ修正作業を行わないと病棟間の連携は困難でしたが、既存のナースコールシステムに本ソフトを導入することにより、機能を停止させずに病棟間の連携がリアルタイムで可能となります。

  2. 2

    ベッドの平均稼働率の向上に寄与
    隣接する病棟間でナースコールシステムが連携されることで、各病棟で保有するベッドの兼用が図れることから、空きベッドをフレキシブルに運用することが可能となります。

  3. 3

    連携にかかる工事費用と時間を削減
    病棟間のナースコールシステムを連携させるために従来かかっていた配線の引き直し等の工事費用と時間を削減することができます。

 今後、当社はベッド稼働率の向上に寄与する「ナースコールシステム連携ソフト」として、新築病院や既存病院のリニューアル工事に適用し、広く普及展開を図ってまいります。※3

図1 本システムと従来システムの比較
図1 本システムと従来システムの比較
  1. ※1

    ナースコールシステムは患者の異常を速やかに医療スタッフに伝える通信設備です。患者と看護師の他にも、医療スタッフ間の緊急連絡等の伝達手段としても用いられており、病院運営に必要不可欠な設備です。

  2. ※2

    本ソフトにより連携が可能となるナースコールシステムはアイホン社製『Vi-nurse』に限ります。

  3. ※3

    既存病院の場合は、システムに適応する調査及び打合せ等が必要となります。