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地盤締固めの品質管理システム「T-iCompaction」を開発

自動運転振動ローラと連携し、非破壊で連続的に自動計測

2020年7月22日
大成建設株式会社
大成ロテック株式会社
ソイルアンドロックエンジニアリング株式会社

 大成建設株式会社(社長:相川善郎)、大成ロテック株式会社(社長:西田義則)、ソイルアンドロックエンジニアリング株式会社(代表取締役:後藤政昭)は共同で、盛土や路盤施工などの土工事において、地盤の締固め状況を自動計測する品質管理システム「T-iCompaction」を開発し、この度、自動運転振動ローラに本システムを搭載し造成工事現場において性能検証を行い、その有効性を確認いたしました。本システムの適用により、施工地盤の品質管理を効率的に行うことが可能となります。

 道路工事や造成工事などで実施される路盤や盛土の施工では、工事完了後に沈下による変形を最小限に留めるため、ローラ等で転圧し地盤を締固めます。その際、土の密度と含水量から算出する「締固め度※1」を指標として施工品質を管理しますが、従来の締固め度の計測方法※2は、施工範囲内において計測点が100m2に1点程度しかないことや、締固めた地盤から人力で試料採取と計測を行うため手間がかかるなど、その精度や作業性に課題がありました。
 そこで、当社ほか2社は、路盤や盛土の直上から地盤内部の密度と含水量を計測できる「転輪型RI密度水分計※3」を用いて、地盤の締固め状況を非破壊で連続的に自動計測し品質管理する「T-iCompaction」を開発しました。また、造成工事現場において当社で開発した自動運転振動ローラに本システムを搭載した締固め実証試験を行い、その性能を検証しました。

本システムの特徴と検証結果は以下のとおりです。

【特徴】

  1. 1

    施工範囲全体の締固め度を自動計測し、効率よく詳細把握
    本システムは、施工範囲全体の締固め度を、移動しながら非破壊で連続的に自動計測、記録、配信することが可能で、施工状況を効率よく詳細に把握し、締固め不足範囲の見落としなどを防止します。また、GPSを利用した位置情報と連動させ、詳細な締固め度分布をヒートマップで可視化して表示できることから、その後の施工方法改善の検討への利用も可能となります。

  2. 2

    クラウドサーバー利用により、情報共有と効率的な品質管理を実現
    計測データは、リアルタイムでクラウドサーバーにアップロードし、必要な書式に加工することが可能で、関係者間で随時共有することができます。従来、作業終了後に計測データを持ち帰り、データ整理を行っていた作業工程を改善でき、効率的な品質管理が可能となります。

  3. 3

    自動運転振動ローラを活用し、地盤の締固めを全自動で実施可能
    本システムを自動運転振動ローラT-iROBO® Roller※4に搭載して、自動で施工と計測を同時に行うことが可能です。また、地盤の締固め度が基準に達していない場合は、その範囲だけを自動で再転圧することができます。

【検証結果】
本システムの実証試験では、転輪型RI密度水分計を振動ローラの前後輪の中間に取付け、従来は人力で4点のみ計測していた20m×21m(面積420m2)の施工範囲内で、140か所の締固め度を約25分で自動計測することが可能となり、従来と同程度の作業時間で人手を介さずに効率よく詳細な計測結果が得られました。(写真1、2、図1参照)

 今後、当社ほか2社は、道路工事や造成工事などに本システムを適用し、締固め状況の効率的な品質管理を実現するとともに、建設現場の自動化・無人化を推進してまいります。

写真1 T-iROBO® Rollerに搭載したT-iCompaction
写真1 T-iROBO® Rollerに搭載したT-iCompaction
写真2 施工範囲全景
写真2 施工範囲全景
図1 締固め度計測状況の比較
図1 締固め度計測状況の比較
図2 本システムによる締固め度計測結果
図2 本システムによる締固め度計測結果
  1. ※1 締固め度:材料の締め固まり程度を表す指標。現場で締め固めた材料の密度から材料に含まれる含水量を差し引いた乾燥密度と、材料を規定の方法で締め固めたときの乾燥密度との百分率比で示される。
  2. ※2 従来の締固め度を算出する方法:施工範囲内で数点の任意測定地点に人力で孔をあけ、密度が既知の砂を充填し、その砂の質量から孔の体積を求めて算出する砂置換法や、放射性同位体(RadioIsotope:通称RI)を内包する測定棒を地中に打ち込み、中性子線(含水量を検出)とガンマ線(密度を検出)を利用して計測を行い、締固め度を算出する。
  3. ※3 転輪型RI密度水分計:密度計測用と含水量計測用の2本の転輪型の筐体内に放射線源と検出器をそれぞれ備え、放射線が材料中で散乱して検出器に入射した数を計測することで密度と含水量を計測する。締固め度はこれらの結果から換算して求める。
  4. ※4 T-iROBO® Roller:大成建設(株)が開発した自動で走行、転圧などを行う自動運転可能な振動ローラ。
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