クリーンルームを防護する避圧調整ユニット「T-Pressure Relief」を開発

室内の清浄度を確保し、急激な圧力変動による部材破損を防護

2020年5月12日
大成建設株式会社

 大成建設株式会社(社長:村田誉之)は、クリフ株式会社(代表取締役:藤本大輔)と共同で、クリーンルーム内での室内圧力異常時において、清浄度に影響を与えず、室内外の異常な圧力差を調整し、クリーンルームの部材破損を防護する、避圧調整ユニット「T-Pressure Relief」を開発しました。

 クリーンルームを使用する際、点検時の誤操作や給・排気設備の故障などが原因となり、室内の圧力異常が生じることで、天井材等の破損に至る事故を引き起こすことがあります。室内で破損が生じてしまった場合、復旧工事や温湿度、室圧、清浄度等の環境検証にかかる期間中はクリーンルームの使用が困難となり、企業の事業計画に支障をきたすことがあります。

 そこで両社は、クリーンルームの室圧があらかじめ設定した値を超過した場合にのみ稼働する天井設置型の避圧調整ユニット「T-Pressure Relief」を開発しました。本ユニットの適用により、クリーンルームの清浄度に影響を与えることなく、室内外の異常な圧力差による部材破損を防護することが可能となります。

本ユニットの特徴は以下のとおりです。(図1、図2参照)

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    シンプルな機構の圧力調整装置を搭載
    クリーンルームの室圧が天井内圧より過度に高い陽圧状態となった場合には、陽圧逃しパネルを浮上させ、クリーンルーム内の空気を天井内に排気し、室内を減圧させます。一方、室圧が過度に低い陰圧状態となった場合には、陰圧逃しパネル及び避圧口が開放、天井内の塵埃などを取り除き空気を浄化するHEPAフィルターを介して室内へ給気することで清浄度を確保しつつ、異常に低い室圧状態を解消させることができます。

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    任意に避圧開始の圧力を設定可能
    あらかじめ本ユニット設置対象のクリーンルームに設定した室圧に合わせて、陽圧・陰圧逃しパネル及び避圧口のバランスウェイトを調整することにより、任意に避圧動作を開始する圧力を設定できます。

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    クリーンルームに調和した据付が可能
    本体下面に舟形パンチングフェースを取り付けることで、クリーンルーム内に通常設置される天井付HEPAフィルターユニットと同様のデザインで違和感のない据付が可能となります。

 今後、両社は、医薬品、食品、半導体等を製造するクリーンルームを所有する顧客に対して、「T-Pressure Relief」を積極的に提案してまいります。

図1 T-Pressure Relief 外観写真
図1 T-Pressure Relief 外観写真
図2 T-Pressure Relief 避圧動作概念図
図2 T-Pressure Relief 避圧動作概念図
  1. 室内等の内部圧力が外部圧力より高い状態を陽圧、低い状態を陰圧という。