建物狭隘部のアスベスト除去工法「T-ジェット」を開発

建物内側から短工期・低コストで安全に除去

2020年1月14日
大成建設株式会社

 大成建設株式会社(社長:村田誉之)は、建物の改修・解体工事に伴うアスベスト含有吹付材除去作業において、人の手が届かない外壁パネルと柱の間などの狭隘部に付着しているアスベスト含有吹付材を、少水量の高圧ウォータージェットを使用することにより、短工期・低コストで安全に除去できる「T-ジェット」工法を開発しました。

 一般的なアスベスト含有吹付材の除去作業は、人が専用工具を用いて手作業で行いますが、外壁パネルと柱の間などの狭隘部は、人の手が届かないため、外部足場を含め作業箇所全体をシートなどで覆う隔離養生を行い、外壁パネルを外してから再度、手作業で除去していました。しかし、この方法では外部での養生作業と外壁パネル撤去作業が発生するため、工期やコストが増大するという課題がありました。
 そこで、当社は、外壁パネルと柱の間などの狭隘部に付着しているアスベスト含有吹付材を、先端が回転する特殊なノズルヘッドと曲り配管を合体させたハンドガンを開発し、少水量型の高圧水発生装置と組み合わせることで、建物内側から狭隘部内の入り組んだ箇所でも、安全に効率よく除去できる工法「T-ジェット」を開発しました。

 「T-ジェット」の特徴は以下のとおりです。

  1. 1従来の大がかりな隔離養生を行う場合に比べ、外壁パネルを撤去せず最小限の養生だけで狭隘部の安全な除去作業が可能。
  2. 2水噴射の水圧や噴出孔の本数、角度等を調整、ヘッドガン身の長さ、曲げ率なども案件に合わせて設定することにより、狭隘部にも対応でき確実な除去作業が可能。
  3. 3養生する区画範囲が狭くてすむことから、従来に比べて養生で発生する廃棄物を30~50%削減でき、コスト低減が可能。
  4. 4従来より養生や除去作業時の手間が少ないことから、工期が半減し、作業コストの低減が可能。

 当社は、今後、改修を含めた工事で本工法を積極的に展開すると共に、既存の解体技術と連携しながら解体工事全体の最適化を提案します。さらに、本工法を改良して作業性と安全性を高めながら、将来、無人化・機械化に向けた技術開発を進めてまいります。

写真1 曲り配管ハンドガン(超高圧タイプ)
写真1 曲り配管ハンドガン(超高圧タイプ)
図1 「T-ジェット」工法での狭隘部の除去方法例
図1 「T-ジェット」工法での狭隘部の除去方法例