(仮称)麹町五丁目建設プロジェクトが、BELSの最高ランクを獲得

外皮性能の向上と高性能な汎用設備の採用により「ZEB Ready」認証取得

2019年8月7日
大成建設株式会社

 大成建設株式会社(社長:村田誉之)は、日本テレビ放送網株式会社(代表取締役 会長執行役員:大久保好男)を事業主とする「(仮称)麹町五丁目建設プロジェクト」※1において、その設計段階で「建築物省エネルギー性能表示制度(Building Energy-efficiency Labeling System、以下、BELS)」※2の最高ランクを獲得すると同時に、 「ZEB(ZEB Ready)」認証を取得しました。

 近年、建物の省エネルギー性能表示制度の普及により、環境性能の高い不動産の資産価値が向上し賃貸取引等で有利に働くなどの理由から、テナントオフィスビルにおいてもZEB化の推進が期待されています。しかし、これまでのZEBでは、省エネ性能の高い設備システムや太陽光パネルの導入などによるコストの増加が課題となっていました。
 そこで当社は、この課題を解決するため、(仮称)麹町五丁目建設プロジェクトをモデルケースとし、建物の立地特性を活かして外壁など建物外皮の性能向上を図るとともに、高性能なマルチエアコンなど汎用設備を導入した結果、コストを抑えながらZEB Readyの省エネルギー性能を実現する環境性能の高いテナントオフィスビルを設計しました。

 本建物に導入した代表的なシステムは、以下のとおりです。

  1. 1空調エネルギーの削減
    本建物では立地特性を生かし、隣地のビルに面する東西面の窓面積を最小限とし、建物の断熱性能を強化することにより、空調負荷を削減。さらに、個別制御性・信頼性・汎用性に優れる高効率型ビル用マルチエアコンを採用。
  2. 2照明エネルギーの削減

    人の在・不在を検知し照明を自動制御する次世代人検知システム「T-Zone Saver」を採用し、快適性を維持しながら照明エネルギーを削減。

 当社はこれまで、研究施設やオフィスビルなどでZEBを実現した建築物を建設し、その実績を重ねてきました。さらに、ZEBプランナー登録※3、ZEBリーディング・オーナー登録※4などのZEB化への取り組みを積極的に行い、ZEB建築のリーディングカンパニーとして「市場性のあるZEBの普及」を推進しています。
 今後、当社では、本建物で実践した建物外皮性能の向上と高性能な汎用設備の採用をZEB実現のベースモデルとし、様々な省エネルギー技術の開発を進め、発注者のニーズに合った市場性の高いZEBや省エネルギービルの提案に積極的に取り組んでまいります。

(仮称)麹町五丁目建設プロジェクト
(仮称)麹町五丁目建設プロジェクト
BELSでの「ZEB Ready」を認証取得
BELSでの「ZEB Ready」を認証取得
  1. ※1 建物概要
    建物名称 (仮称)麹町五丁目建設プロジェクト
    建設地 東京都千代田区麹町5丁目3-23
    階数 地上11階 地下2階
    発注者 日本テレビ放送網株式会社
    施工 大成建設株式会社東京支店
    設計 大成建設株式会社一級建築士事務所
    延床面積 4,558.38m2
    工期

    2019年2月~2020年5月(予定)

  2. ※2

    BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)
     国土交通省が主導する建築物の省エネルギー性能に特化した、第三者による認証制度です。国が定める計算方法に則りBEI(省エネルギー性能指標)値を算出し、その値によって5段階で☆の数が決定します。最高ランクの☆5の中でも更に省エネルギー性能に優れた建物がZEBとして認証されます。

  3. ※3

    ZEBプランナー登録
     経済産業省の「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル実証事業」、「ZEBロードマップ」の意義に基づき、一般に向けて広くZEB実現に向けた相談窓口を有し、業務支援を行い、その活動を公表する登録制度です。一般社団法人 環境共創イニシアチブが公募・認定します。

  4. ※4

    ZEBリーディング・オーナー登録
     経済産業省の「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル実証事業」、「ZEBロードマップ」の意義に基づき、自らのZEB普及目標やZEB導入計画、ZEB導入実績を一般に公表する先導的建築物のオーナーの登録制度です。一般社団法人 環境共創イニシアチブが公募・認定します。