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装置の内部発熱を直接冷却する液冷システム「T-Liquid Cooling」を開発

生産施設の省エネと作業環境の改善を実現

2019年5月14日
大成建設株式会社

 大成建設株式会社(社長:村田誉之)は、工場などで使用されている生産装置から発生する内部発熱を室内に拡散する前に中温冷却水(20℃程度)を用いて直接冷却する液冷システム「T-Liquid Cooling」を開発しました。本システムの導入により、生産現場における空調エネルギーの削減と作業環境改善が可能となります。

 工場などの生産施設では、様々な生産装置の稼働に伴い装置自体から大量の熱が発生しています。これらの熱は施設内において空調の負荷につながり、従業員の作業環境に影響を及ぼします。そのため、従来は低温冷却水(7℃程度)を循環させ19℃程度まで空気を冷却する方式の冷凍機を用いて室内全体を冷却していましたが、冷却水の生成に多くのエネルギーが必要となり、その改善が求められていました。また、この方式では、冷風のあたる箇所は温度が低く、熱源近傍では温度が高くなることから、室温を均一に保つことが困難という課題がありました(図1・左図参照)。

 そこで当社は、室温を均一にするため、従来の低温冷却水による空冷方式ではなく、配管を埋設した樹脂製パネルを生産装置の表面温度が高い部分に取り付け、中温冷却水を配管に流すことで、生産装置の内部発熱を直接かつ効率よく冷却する生産施設向け液冷システム「T-Liquid Cooling」を開発しました(図1・右図参照)。本システムは、2018年8月に竣工した当社技術センター次世代研究開発棟に採用しており、現在、実証試験により性能を検証しています(写真1参照)。

 本システムの特長は以下のとおりです。

  1. 1長期耐久性を確保した汎用材料を利用
    本システムに適用している樹脂製パネルは、床暖房に使用され、長期耐久性にも実績がある汎用パネルを利用しており、生産装置に影響を与える漏水の心配がありません。
  2. 2様々な液体を利用
    生産装置の設置環境に応じて、温度の低い井水や水道水など様々な液体を冷却水として利用することができ、室温を均一に保つことが可能です。
  3. 3優れた省エネ効果
    電子デバイス系の生産施設をモデルとして、室温26℃の室内において、表面温度が50℃の熱を排出する生産装置が50台あるケースで試算すると、従来の冷凍機を用いて空調する場合と比較し、40%以上の省エネ効果が見込めます。
  4. 4作業環境を改善
    生産装置の内部発熱が室内に拡散する前に、中温冷却水を用いて装置自体を直接かつ効率的に冷却でき、室温を均一に保つことが可能なため、作業環境の改善が図れます。

 今後、当社では本実証試験で得られたデータと知見を活用することで、本システムに更なる改良を加え、生産施設向けの省エネ技術として実適用を目指してまいります(図2参照)。

図1 従来システムと本システムの比較
図1 従来システムと本システムの比較
写真1 本システムの効果検証(発熱部に液冷パネルがない場合(左)とある場合(右))
写真1 本システムの効果検証(発熱部に液冷パネルがない場合(左)とある場合(右))
図2 生産施設向け液冷システムの概略図
図2 生産施設向け液冷システムの概略図