都市型高層ZEBを実現した「近畿産業信用組合本店」が完成
「伝統×革新」をコンセプトにZEB Readyを実現
2019年4月4日
大成建設株式会社
近畿産業信用組合
大成建設株式会社(社長:村田誉之)は、このたび、大阪市北浜エリアに、近畿産業信用組合(理事長:大本崇博)発注による「近畿産業信用組合本店」を完成させました。本建物は、「伝統×革新」をコンセプトに設計された最先端省エネルギー建物で、今まで都心部の高層ビルでは実現が困難とされていたZEB Ready※1を達成しました。
本建物の特徴は以下の通りです。
「伝統×革新」をコンセプトとしたデザイン
大阪市北浜エリアは大阪証券取引所ビルをはじめ、銀行や信用組合の本店が密集する関西の金融の中心地です。これらの建築には石を多用し重厚で伝統的な金融機関らしいデザインが多く見られます。本建物は「伝統×革新」のコンセプトを伝統を表す石と近代的なガラスで構成されたダブルスキンの外装で体現し、意匠性だけではなく、環境性能にも優れた建物としました。
ZEB対応の都市型高層建物
外観の特徴となる外装のガラスには、遮熱・断熱性能に優れたLow-E複層ガラスを使用し、窓辺には太陽光自動追尾型ブラインドを設置し、効果的な日射遮蔽が可能です。その他にも、ダブルスキン内の熱を利用した空調システムや人検知センサーを利用した照明制御(T-Zone Saver)を導入。ライトアップにもLED照明を使用するなど様々な省エネ技術を駆使することで、従来のオフィスビルに比べ、約61%の年間一次エネルギー消費量を削減し、ZEB Readyを実現した革新的な高層ビルとなっています。
地域のシンボルとなる建物
18階建て約78mの本建物は、信用組合の本店ビルとしては国内随一の高さを誇っています。また総合設計制度の採用による公開空地を設けました。そこに様々な種類の樹木や草花といった緑を多く設え、夜間は照明により明るさを確保することで潤いと温かみのある空間を街に提供し地域のシンボルとしています。
近畿産業信用組合は、こうした取り組みをSII(一般社団法人 環境共創イニシアチブ)が公募するZEBリーディング・オーナー※2に登録し、さらなるZEB普及に取り組んでいます。
また、大成建設株式会社は、今後もさまざまなZEB化に関わる新技術の開発と在来技術のベストマッチングを図り、市場性のあるZEB化建築物の普及展開を積極的に推進していきます。
【施設概要】
- 所在地:大阪市中央区淡路町2丁目-1-3
- 建築面積:658.76m2
- 延床面積:11335.38m2
- 階数:地上18階 /地下1階 /塔屋1階
- 最高高さ:77.86m
- 構造:S造/一部SRC造
- ※1ZEBを見据えた先進建築物として、高断熱化及び高効率な省エネルギー設備を備えた建築物。一般的な建物と比較してエネルギー消費量が50%以上削減可能なものを指す。
- ※2一般社団法人環境共創イニシアチブが公募し定める、ZEB導入実績を情報発信する役割を持つ先導的建築物のオーナー。