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軽量で遮音性能に優れた木造躯体床構造「T-WOOD® Silent Floor」を開発

効果的な遮音対策と工期・工費の削減を実現

2019年3月25日
大成建設株式会社

 大成建設株式会社(社長:村田誉之)は、木造の軽さを損なわずに、優れた遮音性能(重量床衝撃音遮断性能)を有する木造躯体床(以下、CLT※1躯体床)構造「T-WOOD Silent Floor」を開発しました。本床構造を用いた建築物では、効果的な遮音対策と工期・工費の削減が可能となります。

 近年、低炭素社会の実現や国内林業活性化に向けて国産木材利用の促進が叫ばれるなか、木材使用量を高めるため、木造建築物や建築構造材での様々な活用が検討されています。その中で建築物の躯体床を木造とした場合、歩行や飛び跳ねなどで生じる重量床衝撃音を低減することは難しく、現状では遮音対策として躯体床上にコンクリートを打設する工法が多く用いられています。しかし、この工法では床全体の重量と剛性を増加させることで、遮音性能を高めることはできますが、コンクリートを床に敷き詰めるため、木造の利点である軽さを阻害し、また打設したコンクリートの養生期間が必要となるため、工期が長くなることが課題でした。

 そこで当社は、CLT躯体床の下階に無機系粒状体(ゼオライト)を敷き詰めた遮音天井を、上階に遮音性能を持つ乾式二重床を配置することで、木造建築の利点である軽さを損なわずに、重量床衝撃音を効果的に低減できる「T-WOOD Silent Floor」を開発しました。【図1、写真1参照】

 「T-WOOD Silent Floor」の特長は以下のとおりです。

  1. 1CLT躯体床の上下階に採用した天井や床は、単体でも十分な遮音性能を有しており、それらを組み合わせることで、より効果的な遮音対策が可能となります。
  2. 2本床構造では、CLT躯体床とその上下に存在する空気層を密閉しない構造とすることで太鼓現象※2を防止し、衝撃音が増幅しない仕組みとなっています。
  3. 3現場で施工可能な乾式工法を採用しており、施工後の養生期間も最小限に留めることができるため、コンクリート床に比べて工期短縮が見込めます。
  4. 4CLT躯体床の施工では、軽量床を敷設するため、コンクリート床に比べて建物重量を軽減でき、躯体・基礎工事の軽減および建設コストの削減が見込めます。

 また、本床構造の性能実証試験を行い、一般的な住宅やホテルなどの居住空間で求められる重量床衝撃音の遮音等級(LH-55※3)相当の性能を確認しました※4。【図2参照】

 今後、当社は、遮音性能の確保が求められる木造建築物や躯体床が木造の事務所・ホテル・共同住宅等への用途に対し、本床構造を積極的に提案してまいります。

図1 T-WOOD Silent Floor 概要図
図1 T-WOOD Silent Floor 概要図
写真1  T-WOOD Silent Floor構成部材
写真1 T-WOOD Silent Floor構成部材
図2 重量床衝撃音測定結果
図2 重量床衝撃音測定結果
  1. ※1CLT(Cross Laminated Timber):木材を縦割りにした板を繊維方向が直交するように積層接着した厚みのある木質系材料
  2. ※2太鼓現象:乾式二重床とCLT躯体床、CLT躯体床と遮音天井の間にある空気層が密閉されている場合、空気層の振動作用で太鼓が振動するように衝撃音が増幅される現象
  3. ※3床構造単体での測定法がないため、残響室における単体の重量床衝撃音(衝撃源:タイヤ)測定結果をJISによる建築物の床衝撃音遮断性能評価法[JIS A 1419-2 (附属書1)]によって床衝撃音レベル等級を求めたもの。「LH」は日本建築学会の「建築物の遮音性能基準と設計指針(1997)」に示された重量床衝撃音遮音等級の表記方法のひとつ(JISのLrと表記が異なるのみ)
  4. ※4(一財)建材試験センターの残響室で遮音効果を検証し、1時間耐火を想定した厚さ150mmのCLT躯体床に遮音天井と乾式二重床を組み合わせた構成(総重量213kg/m2=コンクリート床90mm相当)で、LH-55※3の性能を確認