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人工知能(AI)を用いた建物周辺の風環境予測技術を開発

風環境計画における速やかな合意形成を初期段階で実現

2019年3月11日
大成建設株式会社

 大成建設株式会社(社長:村田誉之)は、人工知能(以下、AI)を活用し、建物周辺で発生する複雑な風環境を簡易な操作により高速で予測する技術を開発しました。これにより、設計の初期段階から風環境を考慮した検討が可能となり、関係者間で速やかな合意形成が可能になると共に検証に関わるコストの削減も図れます。

 高層建築物の周辺ではビル風と呼ばれる強風が発生することがあり、建物周辺の風環境を事前に予測し対策を施すことは、最適な風環境を構築する上で重要となります。現状、市街地での建物周辺における複雑な風環境を適切に予測するには、風洞実験や数値シミュレーションを行う必要がありますが、これらの方法では時間とコストを要するため、従来は設計の進捗に合わせて風環境を逐次検討するのが困難でした。

 そうした課題を解決するため、本技術は今までの施工実績等で得た数値シミュレーションによる風環境の結果をAIに学習させ、建物周辺の風環境を短時間で予測する技術を実現しました。(「図-1」「図-2」参照)

本技術の特徴は以下のとおりです。

  1. 1市街地までを対象とした予測が可能
     既存のAIによる風環境の予測技術は、建物1棟のみを対象としていましたが、本技術は大小様々な建物が林立する市街地までを対象としており、周辺建物の影響を考慮したより現実に近い風況(風速・風向)を予測することができます。
  2. 2短時間での予測が可能
     これまで縮尺模型を用いた風洞実験では約2ヶ月、データ作成および3次元計算を行う数値シミュレーションでは1~2週間程度の時間を要していましたが、本技術ではAIの学習結果に基づき、建物周辺の風況をプロットする画像処理を行うため、数分で風況を予測することが可能です。
  3. 3設計初期段階で風環境評価が可能
     本技術は周辺建物を含む建物形状データと風向きを入力するだけの簡易な操作で運用が可能であるため、設計者自らが設計の進捗に合わせて風環境を評価することができます。

 今後、当社は、本技術を用いた風環境の予測精度を更に向上させるとともに、風環境を考慮した設計支援ツールとして構築し、展開を図っていきます。

図-1 図面化の手順
【図-1】本技術の概要
図-2 キュービックパノラマへ変換した360度パノラマ画像
【図-2】予測結果の一例(左:従来技術/数値シミュレーション、右:本技術/AIによる予測)