民間研究施設のリニューアルで国内初の「Nearly ZEB」を目指す

2018年11月27日
大成建設株式会社

　⼤成建設株式会社（社⻑：村田 誉之）は、この度、技術センター（神奈川県戸塚区）に、異業種との協業を推進するオープンラボを備え、主に材料・環境分野の研究・開発拠点となる「次世代研究開発棟」を完成させ、運用を開始しました。本施設は、既存躯体を利用したリニューアルでありながら、民間研究施設では国内初となる「Nearly ZEB^※1」の達成を目標としています。

　当社では、研究・開発のさらなる推進を目的に、2012年より大型施設の拡充を進めています。この度、その一環として、1979年に建設した材料と環境分野の研究・開発拠点であった材料実験棟を全面リニューアルし、次世代技術に関する研究・開発を担う施設を構築しました。旧躯体の増床とメカニカルバルコニーへの換気設備・室外機などの集約化により、旧実験棟と比べ実験室全体の有効活用面積の約20％増強を図り、そこに以下のような機能を備えた実験室や設備を設置し、運用を開始しました。

1. 1

   異業種・外部との連携を強化（オープンラボ新設）
   　当社が積極的に推進するオープンイノベーション活動を加速し、異業種や外部研究機関と連携したタイムリーな研究・開発を推進する実験室「オープンラボ」を新たに設置しました。研究・開発課題に応じて、機器や装置のレイアウトを自由に設定できる空間として、多様なニーズにも柔軟に対応が可能です。また、分野の異なる研究員同志が常時コミュニケーションを図りながら、効率的に研究開発に取り組めるオープンな実験環境を実現しました。

2. 2

   研究・開発機能の向上と研究員の安全・健康の配慮
   　この度、新たに設置した主な実験室は下記のとおりです。

   1. ①パイロット実験室：開発技術の性能や評価など本格適用前に実証
   2. ②緑化実験室(温室) ：芝生や樹木など植物の生育条件を制御しながら、育成状況を観察・評価
   3. ③温湿度可変実験室：各種材料に影響のある寒冷地から熱帯までの環境条件（温度：－20℃～50℃、湿度：40％～90％）を再現し、強度や耐久性を検証

   また、分析室には、薬品の危険度や比重に合わせて換気風量を制御し、排気位置を可変するシステムなどの導入により、研究員の安全と健康に配慮した実験環境も併せて整備しました。

3. 3
4. 「超省エネ研究施設」として「Nearly ZEB」を目指し検証
   　当施設は、多くの分析装置や設備を備えるエネルギー多消費型の施設でありながら、実験室内環境最適制御システム「T-Labo.^® Next」をはじめとする超省エネ技術の導入により、年間の一次エネルギー消費量を一般的な建物に比べ50％削減可能な設計となっています。また、太陽光パネル装置による創エネで28％を賄い、合計で一次消費エネルギー量の78％削減が可能となることから、民間研究施設のリニューアルでは国内初となる「Nearly ZEB」の達成を目標に検証を進めていきます。

　今後、当社では、新たな材料、環境分野の研究・開発に加え、異業種や外部研究機関などとのオープンイノベーション活動を推進し、建設業で利用できる次世代の材料・環境技術の提供を進めてまいります。
　また、オープンな実験環境と研究施設に導入された超省エネ技術を体感できる、多機能な研究施設として、当社の技術力や研究開発への取り組みを積極的にアピールしてまいります。

1. ※1Nearly ZEB
   　空調・給湯・換気・照明・昇降機設備の省エネ基準に従い、年間エネルギー消費量の50%以上の削減（ZEB Ready）を満たした上で、太陽光発電等による創エネを加えて、年間エネルギー消費量の合計で75％以上100％未満削減を達成した建築物

• 一覧へ戻る