力触覚伝達型遠隔操作システムと5Gの連携を確認

新しい5G×IoTソリューションの社会実装に向けて開発を推進

2018年9月5日
大成建設株式会社

  大成建設株式会社(社長:村田誉之)とソフトバンク株式会社(社長:宮内謙)は、大成建設が本年6月に開発した力触覚伝達型遠隔操作システム(以下、遠隔操作システム)にソフトバンクの第5世代移動通信システム(以下「5G」)を用いた検証実験を実施し、遠隔操作システムと5Gとの連携を確認しました。

 人手不足や長時間労働などの社会的な課題を背景に、工場など生産施設の自動化や省人化に伴う産業用ロボットの需要が拡大している中、高速・大容量・低遅延でのデータ通信が可能な5Gの普及を見据え、遠隔地から高画質な映像を見ながらリアルタイムでロボットの操作を可能とするさまざまな技術の開発が進められています。

 そこで、両社は、ソフトバンク株式会社の「5G×IoT Studio」※のお台場ラボ(東京都江東区)において、遠隔操作システムに5Gを用いた検証実験を行い、通信の遅延や映像の乱れなく、遠隔操作による物体把持などの力触覚を伴う作業や動作の記録・再生などを正確に伝達でき、有線接続の通信性能と比較しても遜色ないことを確認しました。

 検証実験では、物体把持などの「力加減」を正確に伝える力触覚伝達提示デバイスを備えた人協働ロボット(操作室側)とロボットアーム(遠隔室側)を5Gで接続し、以下の項目について実施しました。

  1. 1操作室から遠隔室へのロボット制御信号および双方向での力触覚情報のリアルタイム通信、遠隔室に設置したカメラ映像(ロボット全体の俯瞰:2台、ロボットハンドの作業状況確認:2台)の伝達
  2. 2遠隔操作による力触覚を伴う複数作業(30mm角の木製サイコロの積み上げ、反発力を伴う風船の把持、容器把持による内容物の注入など)の実施
  3. 3操作室で人協働ロボットを手動で直接動かしながら、遠隔室でのロボットアームの動作を記録する遠隔ダイレクトティーチングによる作業・動作の記録、再生

 これまでも両社は共同で、建設機械の自律作業に関する技術開発の基礎段階として、建設機械と5Gの双方向通信を活用した検証実験を実施し、その連携を検証しています。

 今後、両社は、商用化が予定されている5Gの用途拡大と、遠隔操作システムの具体的な実装に向け、生産施設などにおける省力化、作業効率化を図る具体的な活用法を検討していくとともに、遠隔操作システムの開発状況を踏まえ、社内外関係者のさまざまな知見の集約・連携を図りながら、各種施設や建設現場などにおけるさまざまな用途での遠隔操作システムの適用に向けて、関連技術開発と社会実装への取り組みを進めていきます。

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  • 「5G×IoT Studio」
    ソフトバンクは、5GやIoTを活用した新たなサービス、ソリューション、プロダクトの提供を目指す企業向けに、5Gの実験機器での技術検証ができるトライアル環境を提供し、さまざまな企業と新たな価値の共創を目指す「5G×IoT Studio」を2018年2月に開始しました。今後来るべき5GやIoTの時代に向けて、お客さまの新たなサービス開発をサポートしています。「5G×IoT Studio」の詳細は、5G(第5世代移動通信システム)に向けたソフトバンクの取り組みをご覧ください。
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