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UFCホロー桁を鉄道橋に適用し、効率的な鉄道橋架け替え工事を実現

2018年8月21日
大成建設株式会社

 大成建設株式会社(社長:村田誉之)は、京王井の頭線の下北沢駅付近において、この度、超高強度繊維補強コンクリート(以下、UFC)を用いた鉄道橋4橋の架け替え工事を順次実施致しました。UFCを採用した鉄道橋は、国内では三重県 三岐鉄道 萱生川橋(下路桁)に次いで2例目です。

 現在、東京都と小田急電鉄株式会社では、踏切での慢性的な交通渋滞の解消や鉄道により分断されていた地域の一体化を図るための連続立体交差事業と、抜本的な輸送サービスの改善を目的とした小田急小田原線の複々線化事業という2つの事業を進めています。

 その中で、京王井の頭線と小田急小田原線の鉄道路線交差部にあたる下北沢駅付近において、京王電鉄株式会社は井の頭線の既設橋脚を撤去し、新しい鉄道橋への架け替えを行う必要がありました。

 本工事は複数路線が交差する狭隘な工事区域での施工であり、小田急小田原線の地下駅舎躯体上に架設用クレーンを配置し施工を行うため、駅舎躯体への影響を最小限に抑え、かつ最終電車から始発電車までの限られた時間で適切な施工方法の適用が求められました。

 そこで、これらの課題を解決するため、京王井の頭線の鉄道橋架け替え工事にUFCホロー桁が採用され、部材の軽量化を図るとともに、短時間での施工を可能とする段階的な施工方法(Ⅰ期、Ⅱ期施工)を適用しました。(図1、図3参照)

 UFCは、設計基準強度が180N/mm2と普通コンクリートの約4倍の強度を有する高性能な材料であり、鉄筋の代わりに鋼繊維を用いているため、部材の厚さを薄くでき、軽量化を図れます。(図2参照)Ⅰ期施工時に架設したUFC桁の重量は約80t(軌道重量等含む)であり、普通コンクリートPC桁を用いた場合の約190tに対して大幅な軽量化を可能とし、下部駅舎躯体の補強や架設時の影響を低減できました。(図3参照)

 更に、段階的な施工方法として、Ⅰ期施工では工事期間中の徐行運転を考慮して列車走行が可能な必要最低限の構造でUFC桁を架設し、Ⅱ期施工では残りのUFC桁の架設後にⅠ期施工で構築した構造体と一体化させる方法で施工しました。その結果、施工の効率化が図れ、最終電車から始発電車までの約4時間という施工時間の制約にも対応することが可能となりました。

 また、UFCは、通常コンクリートと比べて高強度というだけでなく、100~1,000倍の優れた耐久性を有しているため、鉄道橋の長寿命化、供用後の維持管理費用の低減が期待できます。

 今後、高度成長期に構築された社会インフラが更新時期を迎えるにあたり、当社では、高性能なUFC材料を採用することにより、部材の軽量化や形状の自由度などのメリットを活かし、鉄道、高速道路、空港など交通インフラ施設へのより一層の適用を進めてまいります。

 なお、本鉄道橋の構造検討は、公益財団法人 鉄道総合技術研究所による指導のもと、設計を株式会社復建エンジニヤリング、施工を当社が行いました。

  • ホロー桁 部材断面が中空になっている1本の桁のことであり、橋梁長手方向に製作した個々のホロー桁を横方向に並べ一体化させることにより橋体(ホロー桁橋)を構成する。

【工事概要】

橋梁名
下北沢第二架道橋、下北沢駅橋梁
路線名
京王電鉄井の頭線
施工場所
東京都世田谷区北沢2丁目
構造形式
PC単純上路桁橋
橋数(主桁数)
4橋(各橋梁のホロー桁は各々4、5、4、4本)
桁高
0.8m
図1 全体計画図
図1 全体計画図
図2 UFCホロー桁(1本)の断面
図2 UFCホロー桁(1本)の断面
図3 橋梁全体の断面(Ⅱ期施工後)
図3 橋梁全体の断面(Ⅱ期施工後)
図4 架設状況(吊上げ・移動)
図4 架設状況(吊上げ・移動)
図5 架設完了
図5 架設完了