ダム版CIMシステム「T-CIM®/Dam」を構築

ダム施工管理情報を一元化し、生産性、品質、安全性の向上を実現

2018年5月22日
大成建設株式会社

 大成建設株式会社(社長:村田誉之)は、施工関連情報を管理、共有する「T-CIM®」システムのうち、ダム工事を対象とした「T-CIM®/Dam」を構築し、施工現場への適用を開始しました。

 現在、ダム工事現場ではコンクリート用骨材の採取、製造、運搬からコンクリートの製造・打設、使用材料の品質管理に至る様々な工程と広大な作業領域を統括して管理しなければならず、その管理項目も多種多様となっています。従来の施工管理では、各作業領域で実施する工程毎の施工情報・品質・出来形管理データを個別に収集・整理し、それらの結果から工事全体の統合データを取り纏める必要があり、多大な時間と労力を費やしていました。
 そこで、当社では作業領域毎の内容に応じて、下表に示すような、ICTを用いた個別の管理システムを開発し、施工の見える化・省人化を実現しました。また、各管理システムから得られるデータを自動収集して、ダム堤体3次元モデルに集約・紐づけることにより、一元管理が可能となる統合システム「T-CIM®/Dam」を構築し、この度ダム工事現場への導入を行い、作業効率化、省人化・省力化、品質および安全性の向上を実現しました。

「T-CIM®/Dam」を構成する主な管理システムの特徴と適用により得られる効果は表に示した通りです。

【T-CIM®/Damの全体構成】
【T-CIM®/Damの全体構成】

 また、「T-CIM®/Dam」では、各管理システム(①〜⑦)から得られる施工・品質情報を無線ネットワークを介して施工現場から自動的にクラウドサーバにアップロードし、3次元モデルにより一元管理します。このため、工事関係者や顧客とリアルタイムに情報を共有することができ、3次元モデルを使用した効率的な施工・品質管理が可能となります。

 今後、当社では本システムを新規受注ダム工事に対して積極的に導入を図ります。
 また、国土交通省が策定を進めている「CIM導入ガイドライン(案)」を基本として、調査・計画から設計、施工、維持管理の各段階に至る3次元モデルの適用・連携についても、柔軟に対応できるよう「T-CIM®/Dam」の機能拡張を進める予定です。

【T-CIM®/Damモデルから維持管理CIMへの活用】
【T-CIM®/Damモデルから維持管理CIMへの活用】